米GM、新型EVを投入 日本勢のFCVと“主導権争い”激化
更新背景に環境規制の強化
ただし、それでもGMが今年のショーの目玉にEVを持ってきた背景には、世界的に進む環境規制の強化がある。オバマ政権はすでに17~25年にかけての燃費規制を発表済み。それによると、25年の段階では自動車メーカーが販売する新車の平均燃費は1ガロンあたり54.5マイル(1リットルあたり23.2キロ)に設定される。現行のプリウスの燃費が1ガロンあたり約50マイルであることを考えれば、10年後とはいえ非常に高いハードルだ。
また原油価格が再び上昇する恐れはぬぐえないうえ、気候変動問題への関心の高まりを背景にしてガソリン課税の上積みを求める声が出る可能性もある。自動車メーカーにとっては「現在のガソリン価格を基準にして、長期的なエコカーの開発計画を減速させることは考えられない」(GM)というのが現実だ。
また、消費者の側でもEVへの関心も高まっている。日産リーフの14年の米国での販売台数は3万200台で前年比33.6%増。テスラの販売台数も前年よりも50%以上多い、3万3000台に到達するとみられている。日産のカルロス・ゴーン社長(60)は12日の記者会見で「米国市場全体からみればEVの市場は極めて小さいが、急速に拡大している」と強調した。

