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弦楽器2人の麗しきハーモニー 2CELLOS、クリス・シーリー&エドガー・メイヤー
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クロアチアで結成されたチェロのデュオ・ユニット、2CELLOS=2014年7月20日(提供写真) 何本かの糸をこすったり弾いたりする弦楽器。古今東西さまざまな種類の楽器が生まれ、多くの人々に演奏されてきた。打楽器や管楽器は、どちらかといえば大音量で人々を鼓舞するために発明されたものが多いが、弦楽器は仲間内で音楽を伝えるためのものだったのではないだろうか。だから、親密な音楽を奏でるには、最適な楽器なのかもしれない。今回は、そんな弦楽器同士の会話を楽しめるデュオ作品を紹介したい。
まずは、チェリスト2人組の2CELLOS。ルカとステファンというクロアチアの若き実力者によって結成されたこのユニットは、2011年にマイケル・ジャクソンの「スムース・クリミナル」をカバーした映像をYouTubeにアップして大ブレークを果たした。チェロはバイオリンの仲間の中でも、中低域をつかさどる穏やかなイメージがあるが、彼らの演奏は想像を絶するもの。とても2人だけで演奏しているとは思えないアグレッシブな超絶技巧は、そこらのハードロック・バンドにも引けを取らないだろう。新作「チェロヴァース」でも、アイアン・メイデンやAC/DCといったヘビーロックのカバーに驚かされる。同時に、スティングやレディオヘッドの世界を再現した繊細なハーモニーも見事だ。
もうひと組は、カントリーやブルーグラスで使用されるフラットマンドリンを弾くクリス・シーリーと、コントラバスのエドガー・メイヤーによるデュオ。クリスは、200万枚以上ものセールスを記録したニッケル・クリークというグループで、一躍脚光を浴びた気鋭のミュージシャン。バッハの楽曲をマンドリンで再現するというプロジェクトも行っている。一方のエドガーは、クラシックからポップスまでさまざまなアーティストに引っ張りだこの名手。彼らは、チェリストのヨーヨー・マのプロジェクトに一緒に参加したことでも知られるが、年の差も親子ほどだというのに実に息の合ったアンサンブルを構築している。「コントラバスとマンドリン」というシンプルなタイトルが物語るとおり、それぞれの楽器の面白みを最大に引き出し、緩急自在のドラマを作り上げる。珍しい組み合わせというだけではない、音楽の楽しさを感じさせる一枚だ。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)