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年内に改憲項目選定 来年国会提出 自民、「ロードマップ」原案

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年内に改憲項目選定 来年国会提出 自民、「ロードマップ」原案

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自民党の全国幹事長会議であいさつする安倍晋三(しんぞう)首相。左は谷垣禎一(さだかず)幹事長=2015年2月7日午後、東京都千代田区永田町の党本部(共同)  自民党が憲法改正に向けて描く「ロードマップ」原案が7日、判明した。今年秋の臨時国会で最初の改憲テーマを絞り込み、来年の通常国会に憲法改正原案を提出、参院選後の臨時国会で憲法改正発議を目指す。再来年に国民投票を実施するスケジュールだ。党憲法改正推進本部(船田元(はじめ)本部長)が策定し、安倍晋三首相(60)=党総裁=も大筋で了承した。

 原案によると、自民党は、現在の通常国会の会期中に最初に取り組む改憲項目の絞り込み作業を実施。

 発議には衆参両院で「3分の2以上」の賛同が必要になるため、自民党内の議論と並行して両院の憲法審査会も開き、野党の意見を踏まえながら慎重に協議を進める。今年秋の臨時国会で、最初の改憲項目の選定を終える方針だ。

 その後は、憲法審査会メンバーや各党協議会などが中心となって改憲項目を条文化する作業に入る。来年1月召集の通常国会で憲法改正原案を提出し、憲法審査会で審議を本格的に開始する段取りだ。

 ただ、夏の参院選前の発議は見送り、憲法改正に対する世論の動向を見極める。

 参院選で改憲勢力が多数を占めれば、その直後の秋の臨時国会で衆参両院の「3分の2以上」の賛同を経て憲法改正を発議する。発議から憲法改正の是非を最終的に決める国民投票を行うまでの周知期間は2~6カ月とされていることから、初の国民投票は遅くとも再来年中の実施になる見通しとしている。

 首相はロードマップ原案について大筋で了承。4日に船田氏らと会談した際には「(自らは)憲法改正のテーマについては一切言わない。最初の改憲項目の絞り込みに向けては憲法審査会における『表の議論』を丁寧にやった方がいい」と指示していた。

 ≪「3分の2賛同」へ首相地ならし≫

 自民党が「来年夏の参院選後」の憲法改正に向けて動き出した。発議には衆参両院で「3分の2」以上の賛同を得なければならないことから、最初の改憲項目を環境権創設など合意しやすいテーマを中心に、各党の理解を得る方針。その後に控える国民投票もにらんで安倍晋三首相は、党や国会で丁寧に環境整備を進めさせる意向だ。

 野党の協力不可欠

 「憲法改正は国民的な議論と理解の深まりが必要だ」。国会審議で憲法改正について問われるたび、首相は判で押したように同じ言葉を繰り返し、各党に理解を求めている。

 というのも、現在の国会の勢力構図では、憲法改正の最初のハードルを越えられないからだ。自民、公明の与党は昨年12月の衆院選で「3分の2」以上を確保したが、参院では「3分の2」を超えておらず、27議席足りない。首相は来年夏の参院選勝利を目指して選挙準備を進めるが、議席増ができなければ野党の協力が必要不可欠だ。

 自民党の基本戦略は与党の公明党の理解を得たうえで、改憲に前向きな維新の党や民主党内の保守系勢力との連携を広げる-というものだ。このため最初の憲法改正では「憲法制定時には想定されていなかったが、現在は必要とされる項目」(自民党幹部)を挙げ、与野党に理解を求めることにしている。

 「環境権」で配慮

 自民党の憲法改正推進本部が議論の俎上(そじょう)に載せようとしている改憲項目は、環境保全の大切さなどを規定する「環境権」や大規模災害時を想定した「緊急事態条項」の新設だ。環境権は「加憲」を掲げる公明党がいち早く主張してきたテーマで、野党にも忌避感はない。緊急事態条項は、昨年11月の衆院憲法審査会で共産党を除く7党が必要性に言及しており、「理解が得られやすい」(自民党幹部)とにらむ。このほか健全財政を目指すための財政規律条項の新設なども候補だ。

 一方で、国民投票で最終的に憲法改正の是非を判断する国民の関心喚起も欠かせない。首相は2年前、憲法改正手続きを緩和する96条の先行改正に言及し、自ら憲法改正の機運を高めようと試みた。しかし、これには与党の公明党からも賛同が得られず、護憲勢力からは「9条改正のためにハードルを低くする話」などと猛反発が起きた。このため、首相は当面、環境整備は党側に任せ「舞台裏」から議論を見守る構えだ。首相周辺も「安倍政権で(改憲が)できなければ10年は遠回りすることになる。絶対に失敗できない」と解説する。(SANKEI EXPRESS

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