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【安倍政権考】連合、それでも民主党と付き合う?

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【安倍政権考】連合、それでも民主党と付き合う?

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連合の新年交歓会で握手を交わす古賀伸明会長と民主党の枝野幸男(ゆきお)幹事長(左)=2015年1月5日、東京都荒川区(小野淳一撮影)  民主党最大の支持団体、連合と民主党の関係が正念場を迎えている。昨年の衆院選前に連合の古賀伸明会長が消費税率10%への再増税に賛成方針を示したのに対し、民主党執行部は反対。安倍晋三首相(60)の経済政策「アベノミクス」で株価が上がり賃上げに向けた環境が整う中、政労使会議を通じた連合の政権への接近も目につくようになった。連合と民主党の距離は広がっているようにも見えるが、実際はどうなのか。

 体質改善が不可欠

 古賀氏は5日、都内で開かれた連合の新年交歓会で民主党について「政策の選択肢を提示することが国民の信頼を回復することにつながる」と鼓舞。民主党の枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)は「(党に)問われているのはカバナンス(統治能力)だ」と応じた。

 実は連合は昨年の衆院選について「民主が国民の期待を受け止めきれず、自民への対抗軸となり得なかった」と反省を促す談話を発表しており、ある連合幹部は「今後、民主を支援するものの党体質改善が条件になる」と明かす。

 連合が何より党に求めているのが枝野氏が指摘したガバナンスの確立だ。民主党は昨年11月18日、連合と衆院選に向けた政策協定を締結したが、消費税再増税の是非に関する記述はなかった。社会保障費に充当するため再増税を容認する古賀氏と、衆院選を控え反対に傾いた党幹部の主張が折り合わなかったためだ。

 結局、連合は衆院選直前に民主党と歩調を合わせるため、悪化した国内総生産(GDP)速報値を理由に再増税見送りを容認した。古賀氏にしてみれば、かつて民主党政権が主導し、自民、公明両党との「3党合意」で増税方針を決めたにもかかわらず、先送りに転じた民主党の迷走にいらだちを感じたに違いない。

 一方で古賀氏は安倍政権との距離を縮めている。首相は昨年12月16日、政労使会議を開き、賃上げで最大限の努力を経済界に促す合意文書をまとめた。古賀氏は会議後、「『デフレ脱却のため所得向上が重要』と言ってきた。その土俵に政府や使用者も乗ってきた」と評価した。古賀氏は当初、会議参加には消極的だったが共同歩調をアピールしてみせた。

 自民党を見習え

 ただ、衆院選前の民主党衆院議員55人のうち、連合の組織内議員は13人。参院を含めると計114人中、33人を組織内議員が占めていた。結局、衆院選でも改選前と同人数を当選させて現有勢力を維持。準組織内議員を含めれば連合シンパはさらに増える。連合は組合員による政治運動の成果でもある議員を手放すわけにもいかず、さりとて党を掌握できる勢力には及ばない。となると党に自己改革を求めるしかない。

 古賀氏は昨年春の産経新聞のインタビューでこう民主党を批判している。

 「民主は働く者の視点に立った政策を進めようとしたがガバナンスに問題があった。政権運営に失敗した理由はほぼそれだけだ。自民の場合、いざとなったら政権維持にベクトルが向く。民主は、みんなが(消費増税の是非などを巡り)言いたいことをどんどん言って分裂した」

 連合が自民党を引き合いに出し民主党を批判できるのは、自身のガバナンスに自信を持っているからだ。連合は1989年、左派と右派が労働者のための政策実現を目指して結集し、憲法9条改正などイデオロギーの是非を棚上げした。数の力で議員を送り出さなければ利益団体として連合の望む政策が実現できないと考えたからだ。結果、2009年に民主政権を樹立させ、四半世紀も分裂を回避している。

 連合は党への人事不介入が原則なので、古賀氏は18日投開票の民主党代表選で支持候補を明らかにはしない。右派、左派を問わずガバナンスを体現できる代表が選ばれることを祈るしかなさそうだ。

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