SankeiBiz for mobile

【安倍政権考】今年は国内で「おもてなし」

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの政治

【安倍政権考】今年は国内で「おもてなし」

更新

モンゴルのチメド・サイハンビレグ首相(左)との会談に臨む安倍晋三(しんぞう)首相=2015年2月10日、首相官邸(酒巻俊介撮影)  「就任後初の外国訪問先に日本を選ばれたことは、モンゴルが日本を第3の隣国として重視している証左と高く評価します」

 2月10日、首相官邸にモンゴルのチメド・サイハンビレグ首相(46)を迎えた安倍晋三首相(60)は、首脳会談後の共同記者発表で、昨年11月に首相に就任したばかりのサイハンビレグ氏の初外遊先が日本だったことに笑顔を見せた。

 共同発表に先立ち、両首脳は経済連携協定(EPA)に署名。モンゴルにとって初のEPAであり、さらに両国の友好関係が深まった格好だ。モンゴルは北朝鮮と国交があり、安倍首相にとっても拉致問題の解決に向けて協力を得られることは大きいといえる。

 外国首脳の訪日も重要

 安倍首相が掲げる「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」は、とかく世界地図を塗りつぶすような外遊攻勢が注目されがちだが、実は日本に迎え入れた外国の首脳も結構多い。第2次政権発足以降の安倍首相の外国訪問数は54カ国・地域なのに対し、訪日首脳数は約80カ国・地域に上る。

 政府高官は「各国の首脳と一度日本で会っていると、相手国を訪問したときの反応が全然違う」と語る。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件が発生した際に、安倍首相がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(60)に急遽(きゅうきょ)電話で協力を要請できたのも、首脳間の相互訪問の積み重ねで個人的な関係を深めていたのが大きかった。

 今年はすでに中東4カ国・地域を訪問している安倍首相。さらに外遊先の“新規開拓”をしたいところだが、首相周辺は「今年はそんなに新たな国を訪問する機会がない」と明かす。

 日本の首相が一定の時間をかけて外遊できる時期は、国会の関係上、年末年始や5月の大型連休、お盆前後ぐらいに限られる。今年は、今国会に提出予定の安全保障関連法案の審議が長引く見通しな上、その後には自民党総裁選も控えており、夏の長期外遊は難しい情勢だ。

 5月の大型連休は訪米の日程が固まっている。先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)など首相が出席する定番の国際会議は、いずれも安倍首相がすでに訪問した国ばかりとなっている。

 国際会議の場も活用

 そうなると、今年は国内で「地球儀外交」を展開するしかない。積極的に外国首脳を日本に受け入れ、友好の種をまいておくのだ。

 すでに3月にドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)の約7年ぶりの来日が決まっているほか、5月にはモンゴルのツァヒアギーン・エルベグドルジ大統領(51)が訪日を検討中。安倍首相と親しいオーストラリアのトニー・アボット首相(57)も年内訪日の方向だ。

 このほか、3月の国連防災世界会議(仙台市)、5月の太平洋・島サミット(福島県いわき市)など国内で開かれる国際会議に参加する各国首脳とも安倍首相は交流を深める考え。その際には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に指定されている「和食」や「和紙」といった日本文化でのもてなしも積極的に進めていくという。

 「来年は日本でサミットが予定されており、日本への注目がさらに高まる」とは外務省幹部。世界の首脳に“日本ファン”を増やす絶好のチャンスとなるに違いない。

 安倍首相が、外国だけでなく、国内でも「地球儀外交」を展開するのは、日本が世界の平和と安定に向けて積極的に貢献しているという姿勢を身をもって示すためだ。戦後70年の今年は中国や韓国などから歴史問題で攻撃を受けやすい年でもあるが、安倍首相としてはここまでの「地球儀外交」の成果をいかんなく発揮したいところだ。(桑原雄尚/SANKEI EXPRESS

ランキング