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【男子テニス】錦織、四大大会制覇へ追い風 世界4位浮上 準決勝まで強豪と当たらず
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テニスのメキシコ・オープン男子シングルス準決勝でケビン・アンダーソンを下し、ガッツポーズで喜ぶ錦織圭(にしこり・けい)。決勝進出で大会後の世界ランク4位以上が確定した=2015年2月27日、米ゲレーロ州アカプルコ(共同) 男子テニスの3月2日付世界ランキングが発表され、25歳の錦織圭(にしこり・けい、日清食品)が5位から自己最高の4位に浮上した。1年間の成績をコンピューターで換算する現行制度になった1970年代中盤以降で、女子のクルム伊達公子(エステティックTBC)が95年に記録した日本勢最高位に並んだ。ランキングは大会のシード順に反映され、4位になると準決勝までは格上と対戦しない組み合わせになる。
1位はノバク・ジョコビッチ(セルビア)、2位はロジャー・フェデラー(スイス)で変動はなかった。ラファエル・ナダル(スペイン)が4位から3位に上がり、アンディ・マリー(英国)が3位から5位に落ちた。錦織は昨年の5月に初のトップ10入り。11月には5位に上がっていた。
世界トップ4の座は、今後の四大大会やツアーで最も格が高いマスターズ大会での第4シード以上に直結する。準決勝まで上位3人と当たらない組み合わせになり、錦織が主要大会での初優勝に近づく上でも追い風になる。
3月以降は、四大大会とほぼ同じ顔ぶれがそろうマスターズ大会が続く。3月は米国のインディアンウェルズとマイアミで開催され、4月からのクレーシーズンはモンテカルロ、マドリード、ローマと続く。
昨年はマイアミでベスト4、マドリードで準優勝と好結果を残した。さらに力をつけた今なら、初のマスターズ大会タイトル獲得も現実味を帯びる。
シーズン途中のランキングについて自身は「上がったり下がったりするもの。1年を戦った後(の順位)が大事」とさほど気にかけていない。それでも、好シードで迎えることになるマスターズ大会には「大きな結果を出せるように頑張りたい」と意欲を示している。
ただ、近年の四大大会のタイトルをほぼ独占してきた「ビッグ4」の一角を崩したとはいえ、実績で劣るのは否めない。昨年の全米オープンで準優勝した日本のエースが本当の意味で新時代の到来を告げるには、今後の戦いがより重要になる。
錦織はツアーでは通算8勝を挙げているが、マスターズ大会を制した経験がまだない。3月中旬以降の大会で着実に結果を残して4位内を定着させることが、その後のグランドスラムのタイトルにつながる。
マリーは今年の全豪オープンで準優勝しながら、腰を手術した影響による昨季の不振が響き、ランクを下げた。四大大会14勝のナダルも、昨年は右手首の故障で多くの大会を欠場した。
錦織は肉体強化で長期離脱がなくなったことが今の飛躍を支えている。178センチ、74キロの決して大きいとはいえない体格で、厳しい戦いを勝ち抜くだけの体力の維持も求められる。(共同/SANKEI EXPRESS)
(1)ジョコビッチ(セルビア) 13165点
(2)フェデラー(スペイン) 9205点
(3)ナダル(スペイン) 5675点
(4)錦織 圭(日清食品) 5415点
(5)A・マリー(英国) 5370点
※2015年3月2日付