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人とつながることで人間らしさに深み 映画「迷宮カフェ」 関めぐみさんインタビュー

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人とつながることで人間らしさに深み 映画「迷宮カフェ」 関めぐみさんインタビュー

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「骨髄移植に関心がある人も、関心ない人も、自分の人生をどう生きるか改めて考えさせてくれる作品です」と語る、女優の関めぐみさん=2015年1月19日、東京都渋谷区(高橋天地撮影)  「趣味は果実酒作り」という関めぐみ(29)の自宅には、梅酒のほか、イチゴ、リンゴといったさまざまな果実酒が常時ストックされている。実は関はコーヒーにも目がなくて、「『コーヒーの香りがする』というせりふ一言だけでも、すごく絵になるシーンが頭に浮かんでしまうほど。コーヒーは私の生活に欠かせないものなんです」と明かす。

 そんな彼女にカフェの女主人役で主演オファーが舞い込んだ。気鋭の帆根川廣(ほねかわ・こう)監督(42)の新作「迷宮カフェ」で、骨髄移植を題材にしたサスペンスタッチのヒューマンドラマ。2008年に血液の病気で14歳の二女を亡くした群馬県の主婦が「命の尊さや生きる意味を考えてほしい」と企画したものだ。

 週刊誌記者の榎木田(大迫一平)は、「訪れた客が家族を残したまま蒸発してしまう」との薄気味悪い噂が立った田舎の古びたカフェで潜入取材を試みた。足しげくカフェに通ううちに、どこか不思議なオーラを放つ店主のマリコ(関)のほか、肉体の衰えに悩むボディービルダー(角田信朗)、婚約者に裏切られた女性(市川由衣)、無差別殺人を企てている青年(藤原薫)といった個性的な常連客と顔見知りになる。4人の素性を探っていくと、いずれも「骨髄移植」をめぐる複雑な悩みを抱えていて…。

 場面ごとに衣装替え

 本作は病をど真ん中に据えた重量級の物語なのに、最後には見る者の心を軽やかにしてくれるから不思議だ。「脚本を読みながら登場人物の一人一人に感じたのは、人は他の人とつながることで悩みから解放され、人間らしさに深みを加えることができるというものでした」。本作はサスペンスの体裁を取りつつも、むしろ登場人物の内面が充実していくことに重きを置いた成長物語だからというのが関の解釈だ。

 マリコは一見、誰と相対してもフラットな自分でいられる極めて冷静沈着な人物だが、まるで感情がないわけではない。コーヒーカップを客の雰囲気に合わせて選ぶ細やかな心遣いのできる女性でもある。関はスタッフと相談し、感情の抑揚を衣装の微妙な色の違いで表現してみせた。「場面ごとに衣装を替えています。選んだ色は決して暗いものではなく、深い色でした。ラストに向かって衣装を考えながら演技に取り組むのも楽しみの一つでした」

 映画デビュー10周年を迎え、本作は関の仕事観にも大きな影響を及ぼした。「自分が好んで選ぶ仕事は偏ったものになることもあるでしょう。他の人が選んでくれた仕事を積極的に取り入れていきたいですね。きっと私に似合うと思って選んでくれた仕事だからです」

 3月7日から東京・角川シネマ新宿ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■せき・めぐみ 1985年9月8日、神奈川県生まれ。2005年「恋は五・七・五!」で映画主演デビュー、同じの年の「8月のクリスマス」ではヒロインを務めた。主な映画出演作は、06年「ハチミツとクローバー」、07年「アヒルと鴨のコインロッカー」「包帯クラブ」、10年「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」、13年「県庁おもてなし課」など。

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2015年3月11日まで>)。アプリは「App Store」「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

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