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英下院 二大政党の過半数困難か 5月総選挙へ戦い本格化

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英下院 二大政党の過半数困難か 5月総選挙へ戦い本格化

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3月28日、イングランド北部マンチェスターで開かれた保守党の大会で、基調演説する党首のデービッド・キャメロン首相=2015年、英国(ロイター)  英下院(定数650)は30日、解散し、5月7日に迫った総選挙に向けた選挙戦が本格化した。世論調査では、二大政党制を担ってきた与党の保守党と野党の労働党は、いずれも単独過半数獲得が困難な情勢だ。一方、昨年9月、英国からの独立を問う住民投票を主導したスコットランド民族党(SNP)の大躍進が予測されるなど、英政界の不安定要因が増大している。

 SNPの大躍進予測

 「この数十年で最も予測が難しい選挙だ」。英BBC放送は30日、こう述べ、新下院が、どの政党も単独過半数の議席を獲得できない「ハング・パーラメント(中ぶらりんの議会)」になると伝え、英国では珍しい少数与党政権か連立政権が誕生することになるとの見方を示した。その場合、労働党との協力を示唆するSNPがキャスチングボートを握り、発言力を増す可能性が高いとみられている。

 SNPは住民投票で敗れて以降は独立色を薄めているが、独立運動を率いたアレックス・サモンド前SNP党首(60)は、将来のスコットランド独立は「ほぼ不可避だ」と断言。英経済紙も、SNP-労働党主導の政府となった場合には1970年代の社会主義的政策を取るとして、財界が大変な不安を抱いていると報じた。

 支持拡大に躍起

 保守党は、労働党のエド・ミリバンド党首(45)が、サモンド氏の吹く笛で踊らされるアニメ動画を選挙宣伝に使い、英国の分裂を懸念するイングランドの有権者の危機感をあおる戦術だ。ミリバンド氏は、SNPとの連立や閣僚受け入れを否定するが、SNPから閣外協力を得る選択肢は残している。

 保守党党首のデービッド・キャメロン首相(48)は、財政再建など経済運営の成果を強調。移民規制や欧州連合(EU)脱退を唱えて支持を伸ばす英独立党に対抗し、EU残留の是非を問う国民投票を2017年に行えるのは少数政党の独立党ではなく、保守党しかないと訴える。

 これに対し、ミリバンド氏は、貧富の格差拡大こそが発展の最大の障害だと主張する。EU離脱は、英企業に「災難をもたらす」と警告、EU残留を確かなものにしたいのなら労働党を選ぶべきだと訴え支持拡大に躍起となっている。

 英国の専門家らは「選挙後に労働党の少数与党政権が誕生するにせよ、保守党主導の連立政権が続くにせよ、安定した政権運営はより困難になる」との見方を示している。(ロンドン 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS

 ■英総選挙 英国の下院選は小選挙区制で争われ、任期は5年。第二次大戦後は労働党と保守党の二大政党が政権交代を繰り返してきた。2010年総選挙では大混戦の末、保守党が第1党となった。しかし、36年ぶりに単独過半数に及ぶ党がない「ハング・パーラメント(中ぶらりんの議会)」となり、保守党は第3党の中道左派、自由民主党と連立政権を樹立した。今回も接戦で、ハング・パーラメントになる可能性が高いとみられている。(共同)

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