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【坂上忍の白黒つけて何が悪い!】ファンならもれなく楽しめるけどね
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【かざすンAR(視聴無料)】映画「デュラン・デュラン:アンステージド」(デビッド・リンチ監督)。4月17日公開(ビーズインターナショナル提供)。(C)2013_Magnus_Entertainment,LLC.All_Rights_Reserved □映画「デュラン・デュラン:アンステージド」
実はわたし、英ロックバンド「デュラン・デュラン」の大ファンなんです。ピンポイント世代な上、ブリティッシュ・ロックにハマってた時期がありまして。カジャグーグー、カルチャー・クラブ、スパンダー・バレエ、ハワード・ジョーンズ(60)…と、数え上げればキリがない。
ハマりついでに18歳の時にロンドンに一人行っちゃってね。かなりイキがってましたから、ヒースロー空港に着いたその足で予約しておいた美容院に駆け込んだんです。当時、ワム!のヘアメークをやっていた方がその日はいるっていうんで。で、金髪に染めてもらっちゃって。今思えば、恥ずかしいなんてもんじゃない。
夜もね、一人でクラブをはしごして、モヒカンのお兄ちゃんしかいないようなとこにも足を踏み入れて。そしたらね、日本人の女性がいたんですよ。ぼくよりも10歳ぐらい上だったと思うんですが。で、その人が踊っているぼくに近づいてきたんで、そりゃあ、一緒に踊っちゃいますよね。そしたら、今でも忘れない。気がついたらモヒカンのお兄ちゃん4、5人に囲まれて表に連れてかれて。
はい、袋叩きにあいました。ボッコボコです。「ジャップが生意気になに女と踊ってやがんだ!」ってことなんでしょうね。今思いだしてみても悲惨だったな~。
で、そんなデュラン・デュラン大好きのロンドンフェチなわたしですから、この映画「デュラン・デュラン:アンステージド」は当然楽しめました。キーボードのニック・ローズ(52)を中心とするメンバーさんは年をとりましたが、それでも格好いい。サイモン・ル・ボン(56)の歌声も全盛期そのままでね。
ただ、ただなんだよな~。そりゃあファンにはたまらないですよ。だってファンってそういうもんだし。でもね、この映画を「映・画として捉えられるか?」と問われれば…わたしはNOでした。
監督は「ツイン・ピークス」のデビッド・リンチ(69)。彼の映画を見れば音楽に精通していることは一目瞭然(りょうぜん)。だから、そこそこ期待はしてたんですが、正直言って、リンチが撮る必然性を全く感じなかったので。
要するに、ライブの様子を垂れ流ししているだけですから。メンバーのインタビュー映像がインサートされているわけでもなく…。インタビューがあればね、リンチにしかできない切り込み方とか、メンバーの人となりの掘り起こし方とか、やりようはあったと思うんですが、それもなし。
だったら、映画って謳(うた)わなくていいじゃん。ライブDVDを作ればいいんじゃないの?ってね。
まぁ、最近は映画もDVDも境目が曖昧(あいまい)になってる時代ですが、それでもわたしは「映画」にこだわりたいんですよね。
だって、作るのがほんとに大変なんだから。作っただけで、たいしたもんなんだから。だから、無意味な批判はしたくないのが本音であって。でも、誰でも好みはありますからね。と考えると、この作品は好きにも嫌いにも入らないのよね。だって映画じゃないから。わたしは認めたくないので。よって、申し訳ありませんが批評外の作品とさせていただきます。まぁ、こういうこともあるのが、また映画だったりするのかな。
ただ、デュラン・デュランのファンの方なら、間違いなく楽しめますよ。サプライズ・ゲストも登場したりして、なにより感心したのは、メンバーの体形が予想以上に維持されていたこと。かくいうわたしももれなく中年族ですからね、見習わなきゃと思いました。
でもね~、リンチファンの方は、もしかしたら腹が立つかもしれないな~。リンチさん、あなたこんなところで小銭稼いでたんですね…ってね。(俳優、タレント 坂上忍/SANKEI EXPRESS)
鬼才、デビッド・リンチ監督と英人気ロックバンド「デュラン・デュラン」がタッグを組んだライブドキュメンタリー映画。アーティストと映画監督がコラボレートするオンラインコンサート「Unstaged」シリーズとして、2011年3月23日、米ロサンゼルス・マヤシアターで開催されたライブの模様を追う。スペシャルゲストたちも登場し、デュラン・デュランと夢の共演を果たす。4月17日から全国順次公開。
※映画紹介写真にアプリ