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2015年世界ポールダンス選手権 技と力で「スポーツ」アピール

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2015年世界ポールダンス選手権 技と力で「スポーツ」アピール

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2015世界ポールダンス選手権で華麗でしなやかな演技を披露するウクライナの選手=2015年4月12日、中国・首都北京市(AP)  中国・北京で12日、「2015年世界ポールダンス選手権」の決勝が4大陸・10カ国を代表する50人以上の選手が参加して行われた。大会は、男性部門、女性部門、混合部門の3つのカテゴリーで競われ、選手たちは、体にぴったりフィットした体の線を強調するような衣装に身を包み、柔軟性としなやかさを生かした演技を披露して観客を魅了した。

 ポールダンスは、垂直に固定されたステンレス製やチタニウム製のポール(棒)を使い、逆さまや回転などのトリック(技)と呼ばれる技と、ポーズやフロアムーブメントを組み合わせて踊るアクロバットとセクシーさを兼ね備えたダンスだ。マドンナやブリトニー・スピアーズ、ケイト・モスなどセレブの間で大人気となり、日本でも静かなブームとなっている。

 ポールダンスというと、ストリップダンサーがセクシーに絡みついて踊るイメージを抱きがちだが、現在では正式なフィットネスのジャンルとして確立され、ダイエットや引き締め効果のあるエクササイズとしても注目される。

 ポールダンスは好きな音楽、好きな衣装で自由に個性と自己表現できるダンスでもある。世界的に有名なサーカスを取り入れたパフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」でもショーの演目の一つとして披露されており、芸術的なダンスとしての評価を得ている。

 AFP通信などによると、ポールダンス世界選手権の出場選手たちは、演技を通じてスポーツとしてのポールダンスが、ストリップクラブのそれと同列で語られることのできないものだと認識されるように願っているという。

 ≪人気上昇中 変わった世間の目≫

 ポールダンスの起源は、中国やインドのアクロバティックな伝統競技にさかのぼることができるとされ、選手たちは競技の名を「ポール・フィットネス」あるいは「バーティカル(垂直)・フィットネス」と変更するように求めている。

 英国人選手のキャット・ベイリーさんは、普段から「ポールダンス」ではなく「ポール・フィットネス」と呼ぶ。ストリップ要素の強いパフォーマンスとは一線を画し、競技として五輪種目への採用についても訴えている。

 大会出場者らは口々に、ポールダンスに対する世間の見方は変わってきていると話す。数年前までは、頻繁にストリッパーと呼ばれたというロシアのディミトリー・ポリトフさんは、「ハードなスポーツ。極限を求めるスポーツだよ。それを分かってもらえるようになった」と話した。

 一方、ここ10年ほどの間に、ポールダンス競技の中心地は中国へとシフトしてきた。しかし中国の選手たちは、国内の保守的な空気との折り合いで苦労していると話す。

 2013年の中国ポールダンス選手権で優勝した伊繁さん(29)は、「両親は田舎で農家をしています。4年間ポールダンスを練習しましたが、最初の3年間は親に内緒でやっていました。ジムで働いていたので、内緒で練習することができました」とその当時を振り返った。

 選手たちの間では、次の五輪大会から正式種目として採用するよう訴える動きも出ているが、その道のりは遠いようだ。

 ここ10年ほどは、フィットネスとしてのポールダンス人気が高まりをみせており、競技自体の規模も拡大を続けている。世界各地にクラブが数千単位で新設され、その数は米国だけでも500を超えるとされる。(EX編集部/撮影:AP/SANKEI EXPRESS

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