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「恥」で「クズ」 FIFA自賛映画にブーイング ブラッター氏、イメージアップへ横やりも
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映画「ユナイテッド・パッションズ」で、ワールドカップ(W杯)開催地を発表する英俳優、ティム・ロスさんが演じるブラッター会長(AP) 汚職事件に揺れる国際サッカー連盟(FIFA)の出資で製作されたフランス映画「United Passions(ユナイテッド・パッションズ)」が何かと話題だ。事件で辞任表明を余儀なくされたゼップ・ブラッター会長(79)自らも監修したというこの映画は今月5日から全米10カ所で公開されたが、あまりにも“自画自賛”的な内容が酷評され、劇場では“閑古鳥”が鳴いている。
映画は制作費約2350万ユーロ(約32億9000万円)のうち、FIFAが約2000万ユーロ(約28億円)を出資。2つの世界大戦をかいくぐった111年間のFIFAの歴史を慈善団体的な側面に焦点を当て、約1時間半にわたって描いている。昨年、欧州で公開され、米国ではタイミング悪く、FIFAの現職副会長らが米司法当局に起訴された翌週に公開された。
映画には、収賄などFIFA内の暗部をほのめかすシーンもあり、英国の有名俳優、ティム・ロスさん(54)が演じるブラッター会長が再選されて喜ぶ場面のほか、幹部会議で汚職の噂が絶えない“腐ったリンゴ”(FIFA幹部)たちに「これからはルールに従って動いてもらう」と、厳粛な面持ちで宣言する場面が出てくる。
メガホンを取ったフレデリク・オービュルタン監督は米メディアに対し、「ブラッター会長に、彼に関する場面を見せるたびに大変な事態になった。なぜかといえば、彼はボスだからだ」と述べ、会長が自身のイメージアップのために“横やり”を入れてきたことを明かした。
米誌ハリウッド・リポーター(電子版)によれば、ニューヨークやロサンゼルス、マイアミなど10カ所で公開された映画の初日から3日間の週末興行収入は、わずか918ドル(約11万円)だった。
ニューヨーク市マンハッタンの映画館「シネマ・ビレッジ」で11日、映画を見ていた客は1人だけだった。劇場受付の男性は「(過去1週間の客は)たったの5人。FIFAのいい側面を中心に描いているからだ」と話した。
米紙ニューヨーク・タイムズの批評家、ダニエル・ゴールド氏は映画について、「最近の記憶の中で、最も見るに堪えないものだ。組織に不都合な部分は削除され、これっぽっちも真実性のない作品なんて、笑えもしない」と酷評。英紙ガーディアンの批評家、ジョーダン・ホフマン氏も、「恥」で「ゴミ」と切り捨てた。(ニューヨーク 黒沢潤/SANKEI EXPRESS)