ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
政治
統一選の女性議席 わずか14.2% 「努力足りない」 社会的慣習の壁も
更新
街頭でマイクを握り、支持を訴えた県議選の女性候補者=2015年4月4日、埼玉県内(川畑仁志撮影)。※画像は一部加工しています。 今春に実施された統一地方選で地方議会に議席を得た全議員に占める女性の割合は14.2%で、政党別にみると自民党は当選者中の女性が5.7%と、主要政党では最低だったことが13日までの総務省集計で分かった。安倍政権は「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」の目標を掲げて自治体、企業に女性の登用を求めているが、旗振り役となるべき与党の動きはなおも鈍い。
連立相手の公明党は29.5%と目標に肉薄した。ただ国会議員については、自民、公明いずれも10%程度で、主要政党では最低の維新の党に次ぎ、下から2、3番目だ。
今春の統一地方選の対象となったのは全国747の道府県議会と市区町村議会で、当選した議員は1万5253人。このうち女性は14.2%に当たる2159人だった。
主要政党のうち、最も女性の割合が高かったのは共産党の38.8%。次いで公明、さらに社民党19.5%、民主党17.6%、維新10.7%と続き、自民5.7%の少なさが際立った。
自民は区議選では14.6%と比較的高かったものの、道府県議選で3.2%、町村議選でも3.3%と特に低かった。党の関係者は「女性を増やしたいが、現職で頑張ってきた男性議員を性別を理由に突然候補者から外すわけにもいかず、時間がかかる」と打ち明ける。
一方、共産はいずれの議会選でも30%を超えた。なかでも道府県議選は当選者111人中58人が女性で52.3%、政令市議選も136人のうち、44.1%に当たる60人が女性だった。民主、社民はいずれも区議選で、公明は政令市を除く市議選で30%を超えた。維新は自民と同様、どの議会選でも30%を達成できなかった。
≪「努力足りない」 社会的慣習の壁も≫
各党は、党勢拡大には女性議員増加が欠かせないとして、与野党を問わず対策に躍起になっている。数値目標やクオータ制(人数割当制)も検討されているが、女性が立候補するには家族や周囲の理解などで依然ハードルが高い。
今春に実施された統一地方選でも、当選した女性議員の割合が最低で、取り組みの遅れも指摘される自民党は昨年9月、女性活躍推進本部を設置した。推進本部では今月、「女性候補者の育成や支援に関して、数値目標やスケジュールを定めた行動計画の検討を行う」との提言をまとめた。
各党とも女性の議員、党員、一般を対象にした研修を実施。女性国会議員が開いた勉強会の参加者の中から、候補者を発掘した例もある。
民主党は「党の再生は“女性”が最大のキーワード」(岡田克也代表)として、今春、女性に限った候補者の公募を実施した。
一方、国会では2月、女性の政界進出を後押しする超党派の議員連盟が発足した。立候補者などの一定数を女性に割り当てるクオータ制導入など具体策の検討を進めている。
クオータ制は欧州やアフリカで導入が進んでおり、憲法や法律で議員、候補者の女性比率を決めている国もある。議連では、法の下の平等を定める憲法に抵触せず、現行の選挙制度でも実現が可能な案をまとめたい考えだ。
議連の幹事長を務める自民党の野田聖子衆院議員は「自民党は女性議員を増やそうという努力が足りない。与党なのだからもっと増やしていくべきだ」と強調する。
とはいえ、男性議員が圧倒的多数を占める自民党内には、クオータ制反対の声も根強いのが現状だ。
有村治子・女性活躍担当相は、女性の政界進出について「地域のバックアップが得られない社会的慣習があり、『小さな子供を抱え、子供がかわいそう』という批判もある。候補者に名乗り出た途端、幾多の非難が出てくる」と実現に向けたハードルの高さを指摘している。(SANKEI EXPRESS)