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Memorable Moment公演「GIFT」 ダンスでつづる人生のシーン

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Memorable Moment公演「GIFT」 ダンスでつづる人生のシーン

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「GIFT」はある女性の一生をダンスで表現した舞台作品。KAORIalive(カオリアライヴ)さん演じる主人公の女性が、家族の愛を一身に受けてすくすくと成長するシーンは、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさと明るさに満ちている=2015年6月5日、東京都足立区・北千住の「シアター1010(センジュ)」(田中幸美撮影)  ザッザッザッ。軍服を思わせるカーキの衣装の一団が、ステージを横断するように一糸乱れぬ行進をしていた。まるで芝居か映画の1シーンを見ているようだ。銃声のような効果音とともに崩れ落ちる人々。それを悼むように黒いロングドレスの女性ダンサーたちが、悲壮感を漂わせ華麗に舞った。

 ジャズダンスをベースにヒップホップやモダンなどジャンルにこだわらない幅広いダンス表現で作品を紡ぐダンスカンパニー「Memorable Moment(メモラブルモーメント、MM)」が6日、東京・北千住で行った舞台公演「GIFT」の1シーンだ。

 2013年に東京で初演された「GIFT」は翌14年の大阪に引き続き、今回が3回目。さらに完成度を高めて披露された。

 GIFTは、一人の女性の一生を通して生きることの素晴らしさと生かされていることへの感謝の気持ちをつづった作品。家族からあふれんばかりの愛情を注がれる幼少期、いじめなど人生初の困難に直面する学校時代、そして、さまざまな人と出会う中で掛け替えのない人と出会い…。人生のさまざまなシーンをダンスで表現した。

 前述のシーンは、「No War」と名付けられ、命のつながりを断ち切るような争いによって起こる悲しみを表現したものだ。

 MMを主宰するKAORIalive(カオリアライヴ)さん(37)は「過去の命があるからこそ今、自分が生きている。自分の中にある“生かされている”という思いを表現しました」と話す。

 公演を鑑賞した日本を代表するダンスカンパニー「DAZZLE」の主宰で演出家の長谷川達也さん(38)は自身のフェイスブック(FB)の中でこうコメントした。「前回よりもさらに良かった! 技術とアイデアが満載の舞台は、心の流れも相まってとっても感動的でした。つながっていく命の尊さと、それを断ち切ってしまう争いが強く印象に残ります。ダンスと表現の可能性が広がっていく」

 ≪女性中心 「命の賛歌」を紡ぐ≫

 ダンスカンパニー「Memorable Moment」(MM)はメンバー10人のうち8人が女性。第一線で活躍するダンスカンパニーの多くが男性中心なのに対して珍しい存在だ。チーム名は「記憶に残る瞬間」という意味で、それがチームのコンセプトにもなっている。

 テレビのダンス番組のコンテストに出演するために2012年、MMの主宰で振付師のKAORIaliveさんによって結成された。このコンテストでは優勝を収め、翌13年には米で開催された世界的なダンス大会「VIBE DANCE COMPETITION18」で3位入賞を果たした。その時の作品が「No War」で、MMの代表作でもある。

 その後もダンスの世界大会で優秀な成績を収めるほか、ファッションショーや携帯電話の宣伝イベントなどで個性的なステージを披露している。

 MM作品のすべてを手がけるKAORIaliveさんは「私の作品は『生きる』というテーマがすごく多い」と話す。名前の「alive」も「ダンスとともに生きたい」という思いから付けた。

 心に刺さる過去の経験が心のおりとなって、「あるとき、ふと作品として創りたいと思う時期が訪れる」という。ちなみに世に認められるきっかけとなった「Requiem(レクイエム)」(2011年)という作品は、ダンス教室の教え子の死を乗り越えて創った。「何かがあるけど強く生きていく」という思いが作品の中核をなしている。

 「生まれ変わりというものが本当にあるのかどうか分からないけど私は信じていて、過去の命があるからこそ今の自分たちが生きていると感じる」と話す。確かにGIFTの最後のシーンは、贈り物(GIFT)の箱をメンバーが手渡しでつないでいく。それは命のリレーにも見える。

 京都を拠点に活動するMMは来年6月、1月にリニューアルオープンするロームシアター京都(旧京都会館・京都市左京区)で行われるオープニング記念事業の一環として新作公演に臨む。今度はどんな命の賛歌を見せてくれるのか今から楽しみだ。(田中幸美(さちみ)、写真も/SANKEI EXPRESS

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