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【クレモンティーヌのパリ便り】息子にラリーへの招待状
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息子のディエゴのに届いたラリーへの招待状です。何事も経験ですね(クレモンティーヌさん提供) みなさん、お元気ですか?
大型連休ではリフレッシュされましたか? ここフランスも5月は祭日のオンパレードです。
今年の場合、祭日の並びもよく、
1日はメーデー(Fete du Travail)
8日は第二次大戦戦勝記念日(Victoire1945)
14日はキリスト昇天祭(Ascension)
25日は聖霊降臨祭
です!!
そのうえ、以前お話ししましたように、フランス人は飛び石連休に「ポン」(橋)を架けるのが大好きなので木曜から日曜まで連休にすることが多く、フランスの5月は仕事にならない! と言うのは有名なお話です。
さて、皆さんは「ラリー(Rallye)」をご存じですか? 先日息子のディエゴの元にラリーへの招待状が届いたから、さあ大変!
まずはラリーについてご説明させていただきますね。ラリーは、旧貴族階級や上流階級のブルジョア間で、「子供たちを文化的、社会的または宗教的に同じ価値観を持つグループに入れたい」と願う親たちによってつくられた若い男女混合グループです。フランスの大都市の他、ベルギーやドイツ、イギリスにも存在します。
フランスのラリー・グループはワルツなどの主に社交ダンスレッスンやソワレに参加します。一流メゾンの洋服を身にまとった若者が集う「親公認の社交パーティー」ですね。階級意識の強いヨーロッパ独自のシステムと言えるでしょう。以前は同じラリー・グループ内での結婚は親たちの強い願望だったのですよ。
わが家は「フリースタイル」が基本です。ラリーでもストリートダンスでも、子供本人が興味のあるイベントには、もちろん危険を伴わない範囲で、参加させるようにしています。
なぜ息子に招待状が届いたの? いささか疑問でもありますが、何事も経験ですから参加させてみることにしました。ラリーに参加するためには男の子も女の子も正装であることは絶対条件です。ところが、ディエゴはもちろんスーツなど持っていないし、私もまだ必要ないと思っています。親子で話し合った結果、30歳になるおいのディランに借りることにしました。
美容室に行き、たわしのように硬いくせ毛をきれいにまとめてもらい、不慣れなスーツを着て最近矯正が終わったばかりの整った歯を見せて笑う180センチの息子は「少年」ではなく「青年」のようです。うれしいような、寂しいような、複雑な気持ちになりました。
息子は前日に彼女からつき合って1年の記念日にナイキのスニーカーをプレゼントされて上機嫌でした。経済的にはまだまだ自立にはほど遠い(15歳ですから!)ですが、少しずつ自分の世界を持ち始めたということだと思います。娘のソリータの時より寂しさを感じるから不思議ですね。
最近つくづく、やがてそれぞれの人生を歩みだす2人の子供たちと一緒に過ごせる時間を大切にしていきたいなあ、と思う母なのでした。
Oulala!! Un Rallye c’est une grande soiree, ou les jeunes de la bonne societe s’invitent.
(おやまあ! 良家の子女がお互いに招待しあって、ラリーはとてもすてきな夜会です)
(フランス人アーティスト クレモンティーヌ/SANKEI EXPRESS)