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【クレモンティーヌのパリ便り】宮崎アニメの哲学、人間観

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【クレモンティーヌのパリ便り】宮崎アニメの哲学、人間観

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「ルパン三世_カリオストロの城」のモデルといわれる世界遺産モン・サン・ミッシェル。今年3月には18年ぶりの大潮が押し寄せ、孤島の姿を回復した=2015年3月21日、フランス西部、サン・マロ湾上(AP)  みなさん、お元気ですか? 日本は桜が満開と聞きました。パリでもいろんな花が咲き出しました。ぽかぽか陽気だったのに、ここのところ寒さが戻ってきています。

 今日は前号の映画の話題に続いて、フランスでも人気のあるアニメについてお話ししたいと思います。

 日本のアニメでまず思い浮かぶのは、やっぱり宮崎駿監督作品ではないでしょうか。フランスでも幅広い世代に人気があります。「となりのトトロ」や「紅の豚」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」「火垂るの墓」など、それぞれの作品に熱狂的なファンがいるのではないかと思います。

 私が初めて映画館で観(み)た宮崎駿(はやお)監督作品は「もののけ姫」でした。まだ幼かった娘のソリータと一緒に行ったら、途中で怖がって泣き出してしまい、私はもう一度観に行ったんですよ。スタジオジブリの作品が人気があるのは、絵画的な映像と繊細なメロディーが絶妙にマッチしていることと、宮崎さんの哲学や人間観、世界観を垣間見ることができるからではないでしょうか。

 宮崎作品に一貫しているのは、尊重と尊厳。人間と自然との関わり方も掘り下げて描いています。観れば観るほどに発見があり、世界中の映画人やクリエーターの中に宮崎駿に強い影響を受けた人が多いのはわかる気がするんです。

 宮崎駿初監督映画「ルパン三世 カリオストロの城」もダイナミックで大好きです。主題歌「炎のたからもの」のカバーを2013年発売の私のアルバム「ドリーム・シネマ ~リラクシング・スタンダード・コレクション~」に収録しています。フランスでPVも撮影しました。ヒロインの美少女クラリスに扮したりして、思い入れの強い1曲です。

 ずっと大好き、ディズニー マリー

 日本が宮崎駿なら、アメリカはディズニーではないでしょうか。普遍的なテーマで共感を得やすいのがディズニー映画のすごいところだと思います。クラシックなところでは「シンデレラ」や「バンビ」「白雪姫」「ジャングルブック」などはフランスでも不動の人気です。ちなみに私が初めて観たディズニー映画は「バンビ」でした。母によると、当時4歳の私は映画のあいだずっと泣いていたそうですが…。新しいところだとフランスでも「アナと雪の女王」が大ヒットしましたが、「ライオンキング」や「トイストーリー」も根強い人気なんですよ。

 昨年11月に「クレモンティーヌ・シングス・ディズニー」というアルバムをリリースし、おしゃれキャットの「ディズニー マリー」のインスパイアソングを歌わせていただきました。私が子供の頃、一番のお気に入りキャラクターはマリーちゃんだったんです! シールや絵本をいっぱい集めていたので、とてもうれしく歌わせていただきました。変かもしれませんが、大人になった今でもマリーちゃんが大好きなんですよね。YouTubeにアップされているこの曲の公式PVが、なんと100万回以上再生されました。おしゃまなマリーちゃんがパリを闊歩(かっぽ)しているとてもかわいいPVなので、改めてご紹介したいと思います。

パリのお散歩 ~ ディズニー マリー

 HP:youtube/EftIAMsVKgk

 アニメはもはや子供や若者だけのものではありませんよね。アニメを観て共感したり涙する感性を持っていることは恥ずかしいことではなく、固定観念を持たずにいろんな作品に触れたいものですよね。

 ■Clementine パリ生まれ。レコードコレクターの父親の影響でジャズに囲まれて育つ。1988年に歌手デビューし、92年から日本で活動を本格化。2010年、「天才バカボン」の主題歌をはじめ、日本のアニメソングをフランス語でカバーした「アニメンティーヌ」がヒット。音楽だけでなく、オンオフを自然体で実践するライフスタイルも注目を浴びている。最新アルバムは「クレモンティーヌ・シングス・ディズニー」。possion-h.com/cle/

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