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【クレモンティーヌのパリ便り】「感じ悪い」街で楽しく過ごすには
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パリらしい気候が続く中、あちらこちらでクリスマスのイルミネーションが輝いています。写真はパリを代表する百貨店「ギャラリー・ラファイエット」の夜景です=2014年11月24日、フランス・首都パリ(ロイター) みなさん、お元気ですか?
12月ですね。シャンゼリゼやデパートのショーウインドーなどパリ市内のあちらこちらでクリスマスのイルミネーションが美しく輝いています。ちょっとウキウキ気分と言いたいところですが、実はもう何日間も太陽の光にお目にかかっていない、非常にパリらしい気候が続いているんです。灰色の空の下、パリジャンは「あー寒い」「あー渋滞がひどい」と相変わらず文句を連発することによってストレスを解消しています。
今日はみなさんにパリジャン(フランス人ではなく)のメンタリティーとエスプリについてお話ししたいと思います。
パリは言うまでもなく世界屈指の観光都市ですから、読者のみなさまの中にもパリに行ったことのある方は多いと思います。いかがでしたか? エッフェル塔にセーヌ河、モンマルトルにルーブル美術館!! わが街パリは本当に美しいでしょ!?
でも皆さんは気付いたはずです。パリジャンの感じの悪さに!!
一般的にはパリの玄関シャルル・ドゴール空港でパリジャンの洗礼を受けることになります。みなさんの国日本は譲り合いの精神、私の国フランスは自己主張と自己責任の精神で成り立っています。納得できないことがあったら大きな声で文句を言いましょう。列での割り込みには、特に注意が必要です。「お客さまは神様です」というメンタリティーはこの国には存在しません。カフェでもブティックでも美術館でも「感じのいい人」に出会う可能性は限りなくゼロに近いと思ってください。
パリを楽しむ秘訣(ひけつ)を教えましょう。とにかくマイペース、あなたのペースで気ままに旅行することです。
ここでパリジャン気質についてまとめてみたいと思います。
1:雨が降ったら大きなため息をつく。
2:夏は暑いと文句を言い続け、冬は寒いと文句を言い続ける。
3:なるべく仕事は早く切り上げる。
4:バカンスに全神経を集中させる。
5:社会問題を議論するのが大好き。
6:自分のことをアーティストだと信じている。
7:ひたすらしゃべり続ける。
8:年齢に関係なく恋愛をし続ける。
9:何がなんでも「自分の幸せ」を求め続ける。
10:人と同じは大嫌い。
この10点を頭に入れてフランスに行けば、皆さんはいやな思いをせずに「美しいパリ」を堪能できること間違いなしです。
近年、フランスだけではなく世界中の若者に圧倒的に支持されている文化に日本の「漫画」があります。私の子供たちもそうですが、彼らが「漫画」にひかれる理由の一つには、そこに描かれる「友情」「愛情」「共同責任」など欧米にはないメンタリティーがあるように思います。もしかしたら子供たちは「自己主張」の国の限界を敏感に感じているのかもしれません。彼らが大人になるころには、笑顔のパリジャンがみなさんをおもてなしする日がやってくるような気がしているのは私だけではないように思います。