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当時の倫理的価値観をしっかり表現 映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」 ダニエル・エスピノーサ監督に聞く

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当時の倫理的価値観をしっかり表現 映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」 ダニエル・エスピノーサ監督に聞く

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映画「チャイルド44_森に消えた子供たち」(ダニエル・エスピノーサ監督)。7月3日公開(メゾン提供)。(C)2015_Summit_Entertainment,LLC.All_Rights_Reserved.  スウェーデンのダニエル・エスピノーサ監督(38)が手がけたミステリー「チャイルド44 森に消えた子供たち」は、旧ソ連で52人もの女性と子供の命を奪ったウクライナのアンドレイ・チカチーロ(1936~94年)による連続殺人事件に着想を得たものだ。リドリー・スコット監督(77)が同名のベストセラーの映画化に手を挙げ、製作の一人に名を連ねた。

 1953年、ヨシフ・スターリン(1878~1953年)が政権を掌握していた旧ソ連で、44人に上る子供たちの変死体が各地の山間部で見つかった。いずれも全裸で胃が切り取られていた。スターリンが掲げる「理想国家に殺人は起きない」とのお題目の下、当局は子供たちの死因を溺死や事故として処理したが、秘密警察の捜査官、レオ(トム・ハーディ)は事実を強引にねじ曲げてしまう当局の手法に怒りを覚え…。

 エスピノーサ監督はSANKEI EXPRESSのメール取材に「圧政、独裁政権、人々が抑圧された社会-のメカニズムを描き切ることに心を砕きました。どんな倫理的価値観の下にソ連が構築されたのか、しっかりと表現したかったのです」と映画に込めた思いを語った。

 映画化に食指が動いたのは、スターリンの圧政の実態を描いた映画は片手で数えるほどしかないことが理由だ。「それは由々しき問題です。映画は人類の記憶。この時代の映画が作られなければ、再び同じ社会ができてしまう可能性がありますよ」。7月3日から東京・TOHOシネマズみゆき座ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS

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