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アマン東京の和テイストに感動 平松昭子
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アマン東京の和テイストに感動(平松昭子さん提供子)。http://kimonosnack.blogspot.com
先月、『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』という漫画本を出しました。原作は2011年にヒットした『絶望名人カフカの人生論』(頭木弘樹著)です。今回、頭木さんが推薦してくださり、こんなに大きな機会をいただきました。原作を拝読し、このお仕事はカフカに憑依(ひょうい)しないと描けないと判断し、周りの方には「しばらくカフカになるけど気にしないでね」と伝えました。
カフカの小説は「朝ベッドで目覚めると虫になっていた」というびっくりするようなシーンで始まる『変身』で有名です。今回、私は突然カフカになったわけではなく、映画「ザ・フライ」の原作、ジョルジュ・ランジュラン『蠅(はえ)』のように徐々に変身していきました。まず、カフカのように繊細で敏感になりすぎSNS関係が一切できなくなりました。Facebookをはじめ、いくつかのSNSを退会しました。パーティーのお誘いもつらくなりはじめ、冬から春にかけて引きこもり漫画を描き続けました。やっと最近、カフカから抜け出すことができ、何年も会っていない友人と食事をしたりする機会が増えてきました。カフカの体験もよかったですが、やはり自分に戻れるとほっとします。
先日、10代の頃からの友人の建築家夫婦がアマン東京に宿泊し、お部屋に招待してくれました。セキュリティーが厳重で、なかなか待ち合わせのラウンジまでたどり着けませんでしたが、その間あらゆる空間の和テイストに感動しました。和の宿で有名な星野リゾートは、日本の伝統的なディテールを現代風にアレンジし細部に再現していますが、外資系のホテルが和を取り入れると、細かいところは取っ払い、どこまでも大きく長く広くダイナミックに和を表現しています。小さなことにとらわれず心が解放されます。お部屋もありがちな和っぽいホテルではなく、これからの和室を提案しているような見事な空間でした。
友人は、20年前に「独立してオフィスを構えるのもいいけど、ホテルに住んで仕事をするほうが、打ち合わせにいらしてくれた方も楽しめると思うのよね」と語っていたのを思い出し、アマン東京のお部屋は和服を着て商談をする自分を想像させてくれました。その時は誰に憑依してどんな作品が生まれるのか、わくわくしてきます。みなさまも楽しみにしていてくださいね。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)