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経済
【東芝不正会計】「積極的な経理操作」 外部監査に限界 利益水増し問題で専門家指摘
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東芝利益水増し問題の調査報告について説明する東芝第三者委員会の上田広一委員長(左から2人目)ら=2015年7月21日午後、東京都港区(小野淳一撮影) 歴代3社長の辞任に発展した東芝の利益水増し問題。法律や企業のコンプライアンスに詳しい専門家は「一部で積極的な経理操作があった」と問題視し、外部監査の限界を指摘する声も出た。
金融商品取引法は、利益の水増しなどにより有価証券報告書に故意に虚偽の記載をすることを禁じている。東芝幹部らの行為は法律に抵触する可能性がある。
元検事の木曽裕(きそ・ゆたか)弁護士は映像事業やパソコン事業について、取引先に請求書の発行を遅らせてもらうなどしていることから「積極的な経理操作をしており、違法性を認識していたことがうかがえる」と分析する。
前社長の佐々木則夫副会長(66)がわずか3日で120億円の営業利益を要求した事例を挙げ「違法な操作を暗に指示したと言える」と指摘。証券取引等監視委員会は東芝に課徴金を課すよう金融庁に勧告する行政処分を検討しているが「検察は捜査すべきだ」と話した。
一方、田中久雄社長(64)も部下に「全世界からの撤退を考えざるを得ない。脅かしではない」「あらゆる手段を使って黒字にしなければならない」などと叱責。これらの発言は「虚偽記載を指示したとまでは認定できない」と説明した。
安冨潔・慶応大名誉教授(刑事法)は企業の外部監査制度の限界に言及。監査法人は厳しい競争にさらされ、企業の立場が圧倒的に強い。徹底的な監査はできず、実際に「不適正」との意見はほとんどないという。
東芝は社内に社外取締役らによる監査委員会を設けていたが、安冨氏は「仕組みがあっても人が動かなければ意味のないことが露呈した。東芝が再生するには、顧客や株主などステークホルダー(利害関係者)による厳しい監視が重要だ」と強調した。
企業のコンプライアンスに詳しい山口利昭弁護士は、報告書が「調査は東芝の依頼で、東芝のためだけに行われた」と明記した点に着目。構造的な欠陥に光を当てたもので、経営陣の法的責任には触れていないと指摘する。
「今後、海外の捜査当局が動いたり、集団民事訴訟を起こされたりする可能性がある。入手した情報を開示させられるリスクを考慮したのではないか」と解説した。
≪田中氏≫
東芝の田中久雄社長と室町正志会長の記者会見での一問一答は次の通り。
――第三者委員会の調査報告書をどう受け止めるか
田中社長「このような事態を生じさせたことを厳粛に受け止め、株主をはじめ全ての皆さまに心よりおわびする。経営責任を明らかにするため辞任する」
――不適切な会計処理を経営陣が指示したのか
田中社長「直接的な指示をした認識はない。各事業部門には、実現可能なレベルで(利益目標を)要請していた。不適切な会計処理がされていたとも認識していなかった」
室町会長「私は関与していないと考えている」
――社長を辞任する理由は
田中社長「新たな体制を構築するには、大幅な経営陣の刷新が必要だと判断した」
――利益についてどう考えていたのか
田中社長「雇用を守り、持続的に社会に貢献していくには、利益は大変重要だ。ただ、不適切な会計処理に基づく利益であってはならない。その辺の認識に課題があったのだと思う」
――信頼回復には何が必要か
田中社長「当社140年の歴史の中で最大ともいえるブランドイメージの毀損(きそん)があった。一朝一夕では回復できない。一日一日全力で取り組み、理解してもらうしかない」(SANKEI EXPRESS)