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日銀、景気判断を上方修正 金融政策は維持 輸出・生産で改善傾向
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在任中としては最後となる決定会合後に記者会見する、日銀の白川方明総裁=7日午後、日銀本店 日銀は7日の金融政策決定会合で、足元の景気判断を「下げ止まっている」とし、前月に示した「下げ止まりつつある」から上方修正した。
海外経済の持ち直しを背景に、輸出や生産で改善傾向が出てきたことを踏まえた。景気判断の引き上げは3カ月連続となる。一方、これまでに打ち出した金融緩和策の景気押し上げ効果を見極めるべきだとの判断から、金融政策は現行方針を維持し、追加の金融緩和を2カ月連続で見送った。
4月の任期満了を待たずに19日に辞任する白川方明(まさあき)総裁は、最後の定例会合への出席となった。同日の記者会見で「日本経済がデフレから早期に脱却し、物価安定の下での持続的成長の実現に向けて良い方向に進んでいる」と述べ、景気は改善しつつあるとの認識を示した。
政府が提示した次期日銀正副総裁の人事案が衆参両院の同意を得られれば、新体制は20日に発足する予定。日銀は1月、デフレ脱却に向けて2%の物価上昇率目標を導入したが、その達成への具体的な緩和策は新体制に委ねられることになる。
同日の会合では、白井さゆり審議委員が、日銀が2014年初めから導入を予定している「無期限緩和」方式を速やかに実施すべきだとの提案を行ったが、反対多数で否決された。無期限緩和をめぐっては、次期日銀総裁候補の黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁が4日の衆院議院運営委員会の所信聴取で問われた際に「当然、(前倒しを)検討することになる」と述べていた。