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東京五輪の恩恵は最大? 久々に盛り上がるゼネコン業界

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東京五輪の恩恵は最大? 久々に盛り上がるゼネコン業界

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悲願の東京オリンピック決定! 関連セクターの注目40銘柄(中)

 アルゼンチンでのIOC総会で、56年ぶりに東京でのオリンピック開催が決定した。経済波及効果は約3兆円ということもあり、株式市場ではすでに関連銘柄が動意づいている。この追い風に乗らない手はない!

 土地持ち企業の見直し買いが始まる!

 東京湾岸の含み資産が大膨張。ほとんどのオリンピック会場は、選手村を中心とする半径8キロ圏内。この圏内に土地を持つ企業の含み資産に注目!

 東京湾岸地区の土地持ち企業に注目

 2020年に開催される東京オリンピックは、選手村を中心とする半径8キロ圏内にほとんどの競技会場が設置されることになる。選手村は東京・晴海ふ頭に建設される。なお、晴海ふ頭は、銀座に隣接しているほか、エンターテインメント施設や未来型の建築物が立ち並ぶ臨海都市・台だい場ばにも隣接している地域である。

 東京都の資料によると、選手村の収容人数は1万7000人で、大会後は“国際交流プラザ”として、国際交流の拠点となる文化・教育目的の複合施設と住宅との開発計画が検討されている。

 つまり、オリンピック終了後には、ひとつの街として発展することが約束されているのである。当然、当該地区の土地価格は急騰するはずだ。

 同地区、および隣接する地域に土地や建物を所有する企業の「含み資産」が増えるというわけである。

 含み資産とは、企業が保有する株や不動産などの資産の評価価値のこと。保有資産の時価が、その資産を取得した際の帳簿価額を上回っていれば、それが含み資産となる。

 ちなみに、春先の株式市場の上昇相場でも含み資産銘柄は脚光を浴びた。遊園地やゴルフ場など、膨大な敷地を持つ、よみうりランド株は昨年末から4月にかけて約4倍、東京ドーム株も2倍超まで駆け上がっている。

 東京オリンピック関連の含み資産株として決定前から動意づいていたのは、ケイヒンやイヌイ倉庫、東京都競馬など。これら銘柄も短期倍増を達成し、その後は開催地決定を前に利益確定売りに押され、いったん調整に入っている。つまり、現段階ではさほど割高感も台頭しておらず、手がけやすい水準にあるといっていい。また、湾岸地区に最も近い東京国際空港(羽田空港)のインフラも急ピッチで進むはず。近隣に土地、建物を所有する企業は要注目だ。

 大型株の底上げ相場がスタート!

 建設セクターに特需発生。東京オリンピック決定で、ゼネコン業界が久々に盛り上がっている。ほかにも復興需要や大型プロジェクトが続々。業界に強烈な追い風が吹く。

 ゼネコンやセメント各社にオリンピック特需発生

 スポーツイベントに必要不可欠なものといえば、やはり競技場だろう。2020年の東京オリンピックでは、全35競技会場のうち、20会場が新たに建設予定、既存の15会場のうち、2会場で恒久施設の改修が必要とされている。

 競技場以外でも、選手村の建設や老朽化した首都高速の改修のほか、競技場などの照明をLED(発光ダイオード)に差し替えるなどの特需が発生しそうだ。

 ちなみに、オリンピックに向けて、既存の主要幹線道路を約20キロ拡充、既存駅を1カ所拡張、高速道路・主要幹線道路の約28キロが新設される予定だという。

 また、ゼネコンやセメント各社には、東京オリンピック以外にも東日本大震災による復興需要や、そのほか大型プロジェクトが次々と控えており、しばらくは業績を下支えしそうだ。

 建設セクターの銘柄の多くは東証1部に上場する大型株で、新興市場の銘柄などに比べてPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった株価指標も割安なものが多い。銘柄次第ではあるものの、株価の値動きも比較的緩やかで、業績の回復が顕著になるにつれてジワジワと上値を追う展開になるのではないだろうか。株価の上昇に飛びつくのではなく、押したところをゆっくりと拾いながら中長期投資で値幅を取っていきたい。

 なお、大和証券が開催決定前の9月4日に出したレポートによると、「ゼネコンでは大手4社の中で最も国内建設(単体)の首都圏受注比率が高い大成建設(1801)に注目」としたうえで、「東京オリンピックの恩恵はゼネコンが最も大きいだろう」としている。

 ちなみに、建て替え後にオリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場は、大成建設が1958年に竣工したものだそうだ。(ネットマネー)

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