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東京五輪で広告業界の売上アップ必至 輸送業や旅行代理店の特需確実
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アルゼンチンでのIOC総会で、56年ぶりに東京でのオリンピック開催が決定した。経済波及効果は約3兆円ということもあり、株式市場ではすでに関連銘柄が動意づいている。この追い風に乗らない手はない!
ここから8年間がオイシイ。イベントといえば、やはり広告宣伝業界。しかも、開催までにはまだ時間があり、継続してイベントなどが発生するはず。
イベント事に欠かせない業種といえば、広告や宣伝を手がける代理店業務だ。 広告代理店というと、大手の電通や博報堂DYホールディングスなどが有名だが、株式マーケットにはオリンピックの恩恵を受けそうな企業がいくらでも存在している。なかには大手広告代理店からイベントやPR業務を専門で受託する企業も多い。
2020年の東京オリンピック開催に向けては、向こう7年間、規模の小さなイベントが日本各地で行なわれることが予想され、関連企業の業績を後押しそうだ。さらに今後は、海外メーカーによる日本への積極進出も期待できるはずである。
テレビCMや関連する広告料金など、莫大なフィーが発生する広告代理店はもちろん、イベント関連のディスプレイを手がける乃村工藝社や丹青社は要注目だ。 また、広告代理店に比べて規模の小さなPR会社だが、PR会社はその性質上、売り上げのほとんどが利益につながる。人件費さえ増えなければ、利益率のアップに直接つながるはずだ。なかでもスポーツビジネスに強みを持つ、サニーサイドアップを本命に取り上げたい。
さて、足元の広告業界を取り巻く環境だが、長引く日本経済不況を背景に日本の総広告費は落ち込む一方だった。2012年こそ前年実績で上回ったものの、これは東日本大震災による反動であり、企業による広告出稿の考え方に大きな変化があったわけではない。 しかし、東京オリンピック決定を契機に広告やイベント業界が活気づくことはまず間違いないだろう。
金額ベースでは、競技場の施工や回収を手がけるゼネコン業界にはとても及ばないが、業績の変化率という意味で本当に恩恵を受ける業種は、広告代理店やイベント会社、PR代理店かもしれない。
円安も手伝って、観光客が続々。東京オリンピックでは、約850万人が訪れるという。輸送サービスや旅行代理店に特需発生は確実!
東京オリンピック開催ともなれば、世界各国から一斉に外国人が訪日する。選手団はもちろん、大会スタッフや観客、マスメディアを含めると、一気に東京に人波が押し寄せる。また、人だけではなく撮影機材など、多くのモノが日本に到着するはずだ。
なお、東京都では、17日間にわたって行なわれる東京オリンピックの訪問者を約850万人と想定している。
日本に人が集まるとなれば、航空会社や鉄道会社、旅行会社などに特需が発生することになるだろう。また、近隣のホテルやエンターテインメント施設にも外国人が訪れることになる。
ただ、これらの企業に実際に特需が発生するのはまだ先の話。オリンピック関連銘柄といっても、マーケットの物色のほこ先が回ってくるのは、そのほかの関連セクターよりも遅いかもしれない。
とはいえ、これらの企業には、オリンピック以外にも材料がある。今回注目されているのは東京オリンピックだが、招致に成功した東京都が次に力を注ぐと見られているのが「お台場カジノ構想」だ。
カジノ法案は、秋の臨時国会の目玉ともいわれており、仮に「お台場カジノ招致」に成功すれば、オリンピックのように短期間ではなく、継続的に海外から旅行者が訪れるはずだ。もちろん、東京都に限らず、カジノ法案が成立すれば、日本への観光客は飛躍的に増えることになる。
ちなみに、安倍政権が掲げる成長戦略のひとつに外国人訪日客を増やす「ビジット・ジャパン」があるが、こちらの政策目標は「2013年に外国人旅行者1000万人、2030年に3000万人」とされている。
東京オリンピックが決定した今、もしもカジノ法案が成立するようなことになれば、「2030年に3000万人」といった政府の目標も達成されるに違いない。(ネットマネー)