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TPP交渉“崖っぷち”変わらず 日米双方に難しい国内事情

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TPP交渉“崖っぷち”変わらず 日米双方に難しい国内事情

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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる日米の閣僚折衝は米ワシントンで17日朝から深夜にまで及んだが、双方の主張の溝は埋められなかった。18日の再協議も厳しい展開が予想され、このままでは前回東京での折衝に続き今回も不調に終わる可能性は大きい。TPP交渉は参加12カ国の中核である日米の対立で妥結が遠のきかねない“崖っぷち”に立たされたままだ。

 「双方が(交渉を)加速させる使命を持っているが、かみ合わない。向こうは柔軟性を発揮していると言うだろうし、こちらはそうは見えないという行き違いだ」。甘利明TPP担当相は17日の折衝後、記者団に協議の現状をこう説明し、苦渋の表情を浮かべた。

 日米は閣僚同士が異例の長時間にわたり協議を重ねてきた。9、10日の前回折衝は延べ18時間近く、今回も17日は午前9時過ぎから午後11時ごろまで断続的に約6時間にわたった。

 それでも対立を解消できない背景には、双方の難しい国内事情がある。日本は、自民党が11日に、米国との協議で日豪経済連携協定(EPA)を上回る譲歩をしないよう求める決議を採択。焦点の牛肉関税などは「日豪からかけ離れた水準ではまとめられない」(政府高官)状況だ。

 これに対し、米オバマ政権も11月の中間選挙を控え、日本の関税撤廃を要求する生産者団体の意向に従わざるを得ない。

 日米の対立は、TPP交渉を停滞させる大きな要因になっている。だが、TPPで日米間の包括的な連携を実現することは経済のみならず、「東アジアの安定、安心につながっていく」(甘利氏)という安全保障上の意味もある。

 交渉妥結に向けた日米の責任は重く、双方の国益に配慮しながら歩み寄る粘り強い努力を続ける必要がある。

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