ホンダは、排気量700ccの大型バイクの新モデル「NC700X」を24日に発売した。先進国市場に向け、日常の走行を意識して低中速域を重視すると同時に、「低燃費と低価格」に取り組んだ。新型エンジンやフレームなどプラットホームを共通化した3タイプの大型バイク「ニューミッドコンセプト」の開発副責任者、本田技術研究所二輪開発センターの宮崎英敏主任研究員に聞いた。
--これまで、ホンダの大型バイクは高回転・ハイスピードを重視してきた。低中速を重視したバイクを作ることに抵抗はなかったか
「入社以来、サーキットで走るようなスポーツタイプの開発も担当したことはあるが、『ゴールドウイング』や『パンヨーロピアン』など、日常のツーリング向けバイクの開発が多かった。だから抵抗があるどころか、日常を意識した今回のバイクは、以前から作りたいと思っていたものだ」
--開発はいつ始まったのか
「4年前にスタートした。当時は、馬力と速度を高めればいいという発想で開発をしていたが、バイク離れは進むばかりだった。確かに高速性能に力を入れるなかで、バイク用のABS(アンチ・ロック・ブレーキシステム)やエアバッグが生まれた。しかし、性能に合わせて、価格も上がり過ぎて、身近な乗り物でなくなってしまったという反省がある」