--パナソニックとEV8万台分の電池を調達する契約を結んだが
「パナソニックが、技術的に最も優れていると判断したためだ。パナソニックは、2006年に2・9アンペア時という世界最高容量の電池の量産に成功し、その後も最高容量の電池を生み出し続けている。テスラは、航続距離と直結する電池容量を最も重視している。このため容量に加えて、信頼性やコスト面なども加味して、パナソニックを『優先サプライヤー』に位置づけている」
--パナソニックは10年11月にテスラに出資しているが
「出資していることと、電池の契約はまったく関係ない。テスラが独占的に1社から調達することはあり得ない。出資はしても、パナソニックから役員が派遣されているわけではなく、経営の独立性は保たれている。8万台分の電池についても、主にモデルSに搭載する予定だが、使用方法が限定されているわけではない。電池の技術革新のスピードは速い。このため今後も多様なメーカーの電池を評価しながら、最適な電池を選択していく姿勢は変わらない」
--韓国メーカーが車載用電池市場でも価格攻勢をかけているが、性能についての評価は
「サムスンやLGの場合は、他社の商品をまねするのがうまいうえに、自社製品に仕立てるスピードも速いため、価格を安く抑えることができる。もともとEVの部品のなかで、リチウムイオン電池は最も高額だ。このコストを抑えるには、日本メーカーだけではなく、韓国メーカーと競争してもらう必要がある。ただ、技術優位性では、パナソニックはじめ日本メーカーの方がやはり高い」