しかし、客層の違いや品ぞろえなどで難航し、2010年7月に千葉県浦安市に出店した共同店舗はマツキヨとローソンストア100が並ぶ形で開業したものの、両店舗のレジは別だ。
品ぞろえ、陳列の手間…余分なコストにも
マツキヨとローソンの共同店舗は結局、思うように収益を上げられず、今年5月にはローソンストア100だけが撤退。双方の思惑の違いもあり、相乗効果を発揮しきれていないようだ。
消費不振の中、他社とタッグを組んで現状打破を狙うのは有効手段の一つといえるが、客から厳しい意見が聞かれ始めたビックロに対して日本総合研究所の小方尚子主任研究員は、「客層拡大や販促費削減などのメリットはある」と評価した上で、「百貨店とあまり変わらない売り場作りになれば話題性がなくなり、顧客の足は遠のくだろう」と指摘。継続的な話題提供が必要とする。
野村証券の池内一アナリストは「中途半端なコラボは品ぞろえや陳列の手間、コストが余分にかかり逆に非効率になる危険性もある」と懸念。ビックロが安定的に収益を上げるには「長期的な戦略を持ち、両社が店舗運営を効率化できるフォーマットを作ることが重要」とする。
長引く消費不振の中で、ビックロの成否は、コラボ店舗の今後を占う試金石ともなりそうだ。(西村利也)