無尽蔵の太陽光と水を利用してプラスチック原料などの基礎化学品を作る-。経済産業省は化学業界と連携し、そんな革新技術に焦点を当てた研究開発プロジェクトを立ち上げた。石油資源に依存しない化学品製造技術を確立し、産業の国際競争力向上と二酸化炭素(CO2)の削減に結びつけたい考えだ。
この「人工光合成プロジェクト」は2021年度までの10年計画で進める研究開発で、事業規模は総額約150億円。
推進役は人工光合成化学プロセス技術研究組合(東京都千代田区)で、国際石油開発帝石や住友化学、三井化学、三菱化学などが組合員として参加している。大学とも協力し、オールジャパンの研究開発態勢で未開拓分野に挑む。
光触媒を板状に改良
焦点を当てる技術は、太陽エネルギーを利用して化学反応を促進させる物質「光触媒」によって水を分解し、そこで発生した水素とCO2からエチレンやプロピレンといった基礎化学品を製造するプロセスだ。