「スプリング8」電力値上げ余波 運転時間16%短縮、科学技術発展に影響 (1/2ページ)

2013.3.6 09:00

ドーナツ形のスプリング8施設の内部=兵庫県佐用町

ドーナツ形のスプリング8施設の内部=兵庫県佐用町【拡大】

 兵庫県佐用町にある世界最先端の巨大科学分析装置「スプリング8」と「SACLA(さくら)」の運転時間が、4月からの関西電力の電気料金値上げを受け、2013年度に前年度比7~16%も短縮されることが分かった。国の予算が限られているためで、原子力発電所の長期間の稼働停止が思わぬところにも障害をもたらし始めた。

 スプリング8は直径500メートルのドーナツ形で1997年に運転開始。例年1年間(8760時間)のうち5000時間運転し、4000時間分は大学や企業などのユーザーが利用できる。隣接するSACLAは全長700メートルの細長い施設で昨年3月に運転を始めた。1年目の12年度は7000時間運転し、3000時間がユーザーに割り当てられている。

 しかし、昨年11月、関西電力が企業向けの電気料金を4月から平均19.23%引き上げる方針を公表。両施設は電力を大量に使うことから、両施設の所有者である理化学研究所と運営者の財団法人・高輝度光科学研究センター(佐用町)は「運転時間削減はやむを得ない」と判断した。

「消耗品の交換を減らすなどして対応する」

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