ISVC技術で処理した映像【拡大】
【再挑戦】
「真面目(まじめ)なる技術者の技能を最高度に発揮せしむべき自由闊達(かったつ)にして愉快なる理想工場の建設」
ソニー創業者の一人、井深大が起草した東京通信工業(ソニーの前身)の設立趣意書だ。そこに書かれた理想工場が今も健在する。
テレビ事業の不振にあえぐソニーの生産拠点ではない。元ソニーの技術者で、同社をかつてテレビシェア首位に押し上げた立役者である近藤哲二郎(64)が2009年に設立した完全独立系オープンイノベーション、●(アイキューブド)研究所(東京都世田谷区)だ。
一緒に独立した若い仲間たちと自由闊達に、それこそ「ソニーにいたらできなかった」技術を次々と生み出している。
20年後にらみ開発
「今はむちゃくちゃ元気。みんなも喜んでいる。そして、とんでもないことをやる」
近藤はソニー時代の教え子たちと20年先を見据えた映像処理技術の研究開発に励んでいる。挑むのは、その場にいるような感動を覚える“脳に優しい”映像づくりだ。