夏の到来とともに、今年も関西の電力供給を脅かす“モンスター”がやってきた。クラゲだ。大量発生に見舞われた昨夏は、火力発電所の出力を最大で原発1基分に相当する120万キロワット低下させた。関西電力は今夏、4億円を投じて対策を講じる。しかし、今年も既にクラゲによる火力発電の出力抑制が15件発生しており、クラゲ対策を誤れば、電力供給に支障を来す恐れも。関電はモンスターの襲来にひやひやしている。
万全の対策で…
海面のネットに目をこらすと、キノコのような浮遊物がびっしり-。今年4月、関電の相生火力発電所(兵庫県相生市)の取水口に早くもクラゲが襲来した。このとき、同発電所の出力低下は避けられたが、担当者は「気を抜けない状況が続く」と話す。
護岸沿いの海面には、沸騰しているかのように無数の「泡」がわき立っていた。実はこの泡はクラゲ退治の新兵器。クラゲ侵入の防止網に付着したクラゲを海面に浮かせ、ポンプで吸い上げやすくする仕組みだ。