シャープが、虎の子の高精細、省電力の液晶「IGZO(イグゾー)」で初の技術供与に踏み切る。
相手は大株主の韓国・サムスン電子でも、堺市の液晶パネル工場を共同運営する台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業でもなく、中国の国有企業、中国電子信息産業集団(CEC)。決め手は、CECグループに亀山第1工場(三重県亀山市)の生産設備を売却した4年前からのつきあいにあるといい、「知的財産権への理解と正当な対価」(関係者)。知的財産権の保護意識が乏しいと評判の中国企業が、シャープの最も信頼できる提携先だった。
鴻海とは違う
シャープはCECと合弁で南京市に液晶パネル工場を建設し、2015年6月の稼働を目指す。来春に資本金175億元(約2800億円)で設立する合弁会社が運営し、大型テレビ向けだけでなく、IGZO技術を駆使したノートパソコンやタブレット、スマートフォン(高機能携帯電話)用の中小型パネルを生産する。