昭和電工の市川秀夫社長は13日に開いた事業説明会で、2017年にエコタイヤなどに使われるブタジエンゴムの原料となるブタジエンの新製法に対応するプラント稼働を目指す方針を明らかにした。
市川社長は、「現在は開発の最終段階にあり、来年後半にパイロットプラントを建設する」と説明。さらに「ブタジエンの消費を含め、事業提携などの検討も進めている」とした。
同社が開発を進めているブタジエンの新製法は、従来のナフサ精製の副生物として抽出される方法と異なり、アセトアルデヒドにエタノールを加え、触媒で反応させる製法。
シェールガスの生産が増え、シェール由来のエチレンが安価に大量生産されるようになるとナフサ由来のエチレンがコスト競争力で劣るようになり、その他のナフサ由来の物質の供給が逼迫(ひっぱく)する可能性があるが、新製法はそうした事態にも対応。市川社長は、「新製法によるブタジエンの需要は確実にあると見込んでいる」と話した。