ゼネコン大手の大林組が、東京大学生産技術研究所と組んで、環境配慮型の仮設工事事務所「ECOサイトハウス」の建設や運用の実証実験に取り組んでいる。過密になった木々の一部を計画的に伐採したときに生じる間伐材を活用するとともに、太陽光発電の導入や消費電力の「見える化」などを組み合わせて、徹底的に環境対応を図ったのが特徴だ。両者は実証実験を通じて工法の改善を進めることで、間伐材の活用を促し、森林保全への貢献を目指す。また大林組は、自社が応札する公共工事や民間工事で、ECOサイトハウスの利用を環境技術として提案している。
ECOサイトハウスは、工事現場などで作業員が詰める仮設事務所として使うことを想定。部材を繰り返し使える「システム工法」を採用しており、建物の柱と梁(はり)を接合する部分に特殊な金物を使うことで、木材を傷つけずに組み立てや解体が可能だ。
主な特徴の一つが、間伐材の中でも樹齢が20年程度と若かったり、直径があまり太くない「小径木」と呼ばれる木材を仮設事務所の構造材として積極利用していることだ。