グループの情報システム統合を、2月末に発表予定の中期経営3カ年計画の柱に据えることは、西室社長の鶴の一声で決まった。東芝出身で、東京証券取引所でも株式売買システムの全面刷新を指揮した西室社長は、昨年9月の日本記者クラブでの講演で、グループ各社の情報システムについて「小さなトラブルが発生している。放置できない状況」だと苦言を呈し、上場の大前提として「戦える情報システム」への転換を掲げた。
日立ソリューションズ副社長だった小松敏秀氏を日本郵政の最高情報責任者(CIO)に招いたのも、巨大システムの刷新には専門家が不可欠と判断したからだ。裏を返せば、システム統合作業が遅れれば上場計画自体に影響が及ぶことを意味する。
投資家を呼び込むための成長戦略も中計にどこまで盛り込めるかは不透明だ。
かんぽ生命保険が4月に販売を始める新学資保険の収益への貢献度は未知数。「少子化を踏まえると(需要が細るため、てこ入れには)物足りない」(自民党議員)という指摘もある。すでに、民間生保が同様の保険を販売しており、02年3月期の73.1%から13年3月期に33.7%まで落ちたシェアを挽回するのは難しい。