地方を中心とした再編が取り沙汰される銀行業界で、りそなホールディングス(HD)の動向が注目されている。実質国有化された2003年の「りそなショック」から約11年。りそなHDは7月下旬、国が議決権を持つ株式を全て買い取り、一段と経営の自由度を高めた。「スーパー・リージョナル・バンク」と呼ばれる地銀を含めた再編構想が政府内に浮上し、その旗頭になるとの観測もある。りそなの次の一手は何か。
規模を優先せず
「M&A(企業の合併・買収)で先行する米国でも、規模の拡大を優先させた再編は、まずうまくいっていない。統合を経て互いにコア(中核ビジネス)を強化できるかが前提だ」
りそなHDが預金保険機構から1960億円の優先株買い取りを決定した7月25日の臨時取締役会。会議の終了後、東和浩社長は社外取締役との雑談でこう話し、米国の金融再編の歴史に触れながら、自身の念頭にある再編戦略を示唆した。