住友化学は1日、コメの生産・販売事業に参入すると発表した。農業生産法人などのコメ生産者と組み、種子や農薬、肥料を提供するとともに、栽培管理支援や収穫米の販売などを行う。今秋から試験販売を始め、平成32年ごろをめどに年間栽培面積1万ヘクタール、100億円規模のコメ販売を目指す。
同社は参入にあたり、バイオベンチャーの「植物ゲノムセンター」(茨城県つくば市)から食味が良く、収量の多いコメ品種などについて、独占的に生産・販売できる権利を取得する。会見した貫和之執行役員によると、既存品種に比べ2割程度の収量アップが見込めるという。
コメは生産委託し、一般の小売店などの流通ではなく、業務用・加工用として販売する。数百程度の農業法人などに生産委託したい意向だ。
同社は、肥料製造で100年以上の歴史を持っているほか、野菜を栽培する農業法人も展開しており、農業との関係も深い。
貫執行役員はコメ生産について「大規模化や生産者の事業化に貢献し(蓄積した)ノウハウを提供していきたい」と話している。