東レの子会社で、建設や不動産を手掛ける東レ建設(大阪市北区)が、高床に砂を敷いて作物を育てる農業施設「トレファーム」の普及に取り組んでいる。
同施設は、建設現場で使用する足場材を応用した高床「高床式農業用ベッド」で農作物を育てる。農業用ベッドは、地面から浮いた状態で水平に敷くことができるため、高低差のある土地や塩害を受けた農地でも安定した栽培が可能だ。
栽培には、連作をしても農作物が病気にかかりにくいといわれる砂栽培を採用した。砂栽培では養分を含んだ液体を砂が吸い込むため、廃液などで土地を汚すこともなく、環境負荷が極めて少ない。また施設には太陽光発電パネルを設置することもできるという。
トレファームは、東レ建設の協力会社である茂広組(大阪府寝屋川市)と共同で開発した。東レ建設は、食糧自給率の低さや人手不足といった農業にまつわる問題が指摘される中、2014年度からの中期計画で農業分野での新事業展開を公表。茂広組が開発を進めてきた建設現場で使用する足場材を応用した高床式農業用ベッドの技術に目をつけ、トレファームが誕生した。