課題だった砂の重量を支える基盤も解決した。高床のベッドに敷かれる砂の重さは、1.8メートル×1.2メートルの一区画で約800キログラムにもなる。この重さに耐える強度を茂広組の技術が救った。
高床式農業用ベッドは今年1月に特許を取得。総合商社の双日が4月に設立した農業法人「マイベジタブル」(千葉市緑区)など10カ所の農園や農業体験施設などにトレファームを導入し、栽培実績を積んでいる。東レ建設は今後5年間で、トレファーム事業で100億円の売り上げを目指す。
液体肥料を自動調節
トレファームは、農作業にかかるランニングコストが格段に低い。砂栽培は、土耕栽培や水耕栽培に比べ「電気」「水」「肥料」といった資源の消費量が極めて少ないからだ。トレファームを導入した農場「グリーンファーム」(大阪府四條畷市)では、4950平方メートルの立地で1カ月の水道代と電気代が合計約4万円だった。