【ワシントン=小雲規生】中国の電子商取引(EC)大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ)は19日、ニューヨーク証券取引所に上場した。アリババは上場で約217億ドルを調達。株式の追加発行が行われれば、調達額は最大で約250億ドル(約2兆7千億円)となり、2010年に香港と上海で上場した中国農業銀行の約221億ドルを超えて、史上最大規模になるとみられている。
馬雲会長は同日、同取引所内で米ブルームバーク・テレビのインタビューで、「(創業した)15年前から夢は実現できると信じてきた」と話した。
米国市場では、2012年に上場した交流サイト(SNS)大手、フェイスブック以来の大型案件となる。アリババは中国のネット通販市場で8割のシェアを持つうえ、14年4~6月期の取扱高が前年同期比46%増になるなど急成長を続けており、株価上昇の期待が高まっている。
しかし市場ではアリババの資本構成の複雑さや重要な資産が中国法人に集中する構造を敬遠したり、拡大路線を危ぶむ声もある。フェイスブックの場合は上場後に株価低迷し、投資家から失望が出たこともあり、アリババの先行きが楽観視されているわけではない。