沖縄を除いた全国で1日、冬の節電期間がスタートした。原発稼働ゼロの冬は昨年に続き2回目で、政府は来年3月31日まで家庭や企業に節電を呼びかける。各電力会社が最低限必要な供給力を確保できるため、節電に数値目標は設けていない。ただ火力発電所の定期点検や修繕工事を先送りするなどで供給力を確保しており、設備トラブルや需要の急増で供給が綱渡りとなる恐れもある。
今冬は暖房需要がピークとなる来年2月でも、需要に対する供給余力を示す予備率が、安定供給に最低限必要とされる3%以上を各電力が確保できる見通し。
昨冬は北海道電力管内に数値目標を設定したが、今冬は水力発電所の運用開始などで北海道電の供給力が向上。来年2月は11・4%の予備率を見込む。
だが、寒さの厳しい北海道で発電所が故障などで停止すれば需給が逼(ひっ)迫(ぱく)する。政府は北海道電に、緊急時に大口契約先に電力使用を控えてもらうなどの対応を要請している。
原発比率が高い関西電力と九州電力の来年2月の予備率は安定供給にぎりぎりの3%となる見通し。原発が稼働しない中、需給は厳しいとして、関電は1日、JR大阪駅近くなどで節電への協力を呼び掛けた。
一方、東京電力の来年2月の予備率は7・9%の見込みで比較的余裕があるが、効率的な節電策をまとめたチラシを個別に配布するなど、「無理のない範囲で節電の協力をお願いする」(東電)としている。