NECがデジカメ使う非破壊検査の新技術を開発 老朽化した橋の内部劣化を確認成功

2014.12.9 16:41

NECは、老朽化した橋の内部劣化を簡単にカメラ画像で確認できる技術を開発した=9日、東京都港区(黄金崎元撮影)

NECは、老朽化した橋の内部劣化を簡単にカメラ画像で確認できる技術を開発した=9日、東京都港区(黄金崎元撮影)【拡大】

 NECは9日、カメラで撮影した表面映像から、老朽化した橋の内部の劣化を確認できる技術を開発したと発表した。これまでは人の目視や打音で点検してきたが、カメラで橋の表面振動を撮影するだけで内部の亀裂や空洞、剥離(はくり)を推定できる。同社は2015年度にも実用化する。

 NECは今回、カメラ画素数の100倍程度の解像度で、橋の微小な振動を高速で解析できる技術を開発した。この技術を使えば、橋から10メートル離れた場所からのカメラ撮影で、簡単に内部の劣化状態を点検できる。

 これまでの点検は、人が打音するための足場の構築や、道路規制など行う必要があったが、カメラ撮影だけで済むという。同社は、従来の点検と比べて、コストを約10分の1まで引き下げたいとしている。

 また、NECは無人機にこの技術を搭載した商品開発を行っている。この開発で橋だけでなく、さまざまな老朽インフラの点検に活用したい考えだ。

 一般的に橋は50年が寿命とされている。国内では、建設されてから更新時期を迎える橋が増えており、維持管理コストの削減が課題となっている。NECは、今回の技術を早期に実用化し、全国の道路会社などに売り込む方針だ。

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