日本の航空業界の勢力図【拡大】
【「第三極の誤算」スカイマーク破綻】(上)
衝撃の民事再生法申請から一夜明けた東京・羽田のスカイマーク本社。詰めかけた報道陣の前に、いつもなら会見者の中央に陣取るはずの前社長、西久保慎一の姿はなかった。代わって新社長に就いた有森正和がこう答えた。
記者「西久保前社長はなぜ出席しなかったのか」
有森「西久保社長は退任し、取締役も辞職した。承知していない」
それは、かつて「航空業界の革命児」「空の風雲児」と言われた西久保にしては、拍子抜けするほど静かな幕引きだった。
西久保はIT(情報技術)企業「ゼロ」の創業者として名をはせ、2003年に当時経営難に陥っていたスカイマークに私財の35億円を出資。その後、社長に就任し、高収益路線に集約することで経営を立て直した。万年赤字だった同社だが、10~11年度には2年連続で100億円を超える営業利益をたたき出した。