福島第一原発1号機の格納容器内部調査実施前模擬訓練。公開された形状変形型ロボット=5日午後、茨城県日立市(小野淳一撮影)【拡大】
国際廃炉研究開発機構(IRID)と日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)は5日、東京電力福島第1原発1号機の格納容器の内部調査を行う新開発の無人ロボットを報道陣に公開した。同原発の廃炉作業では、原子炉内で溶け出した核燃料(デブリ)を取り出す。それに先立ち、ロボットで格納容器内の細かな状況把握を行う。
開発したのは、高い放射線量下でも動き、炉内で形状が変化し障害を回避できる「形状変化型ロボット」。線量計や温度計、調査用カメラなどを搭載。格納容器に入る前の細いパイプ内を通過する際は棒状に細長く変形し、その後、格納容器内に入ると凹凸のある床面でも走行がスムーズに行えるよう、コの字形に変形し、内部状況を把握できるよう工夫した。
4、5月をめどに格納容器1階部分の通路などの状況を調査。さらに平成27年度末までに、地下階にある原子炉圧力容器を支える構造物の周辺を調査する計画だ。
日立GEの高橋良知主任技師は「自在に動けるロボットが入ることで、より広範囲な調査が可能になる」と、新開発ロボットの活躍に期待を込めた。