電機・精密大手は、セキュリティー対策の一環でインターネットを通じて画像を送るネットワーク監視カメラ事業を強化する。2020年の東京五輪開催を控えているほか、工場内の監視など用途拡大が見込めるためだ。キヤノンは、本格参入となる屋外型の高画質タイプなどを含め9機種を投入。パナソニックは、フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4K画像を超える高解像度で監視できるカメラを発売するなど、技術の革新や品ぞろえの拡充を急ぐ。
キヤノンが5月下旬から投入するネットワーク監視カメラは、光源がない真っ暗な倉庫内などでも、最長30メートル先の対象物を撮影できる赤外照明モデルなど、用途に応じ9機種をそろえる。同市場の国内シェアトップのパナソニックは、4K画質以上の高画質で、360度全方位の撮影が鮮明に行えるネットワーク監視カメラを中心に、関連製品やサービスなども強化する。
一方、関連技術の開発も進む。富士フイルムは、霧など肉眼では見えづらい状況が発生しても、遠くの状況をクリアに判別、監視できる超望遠電動ズームレンズを開発。三菱電機は、マラソン大会など短期間のイベントで設置する仮設の監視カメラを開発。電源や回線の工事が不要で、コードレスで設置できるなど、設置のしやすさを重視した。