スカイマークがANAHDの出資を受け入れる方向となったのは、再生計画案や債権額の減額で大口債権者の理解を得て再建を軌道に乗せるにはANAHDの後ろ盾が必要との判断に傾いたためとみられる。一方、ANAHDが出資すれば、羽田空港に乗り入れる新興航空会社は全てANAHDの資本を受け、「ドル箱」とされる羽田の国内線発着枠でANAHD陣営が約6割を占めることになる。
スカイマークへの出資比率では、ANAHDは銀行団と組んで実質的に過半数としたい意向を示したが、経営破綻直後から資金面で支えてきたインテグラルも過半数の出資にこだわったという。だが、ANAHDが譲歩する姿勢に転じ、双方が折り合ったようだ。
スカイマーク側は破綻前にANAHDに求めていた資金面での支援が1月半ばに物別れに終わった経緯から、ANAHDに不信感を持っていた。
だが、ANAHDの出資を受け入れる方向になったのは、欧州エアバスや航空機リース会社などの大口債権者を無視できないためだ。6月下旬の債権者集会で再生計画案の可決を得たり、債権者が届け出た3千億円超の債権額を減らすには、大口債権者の動向が鍵を握る。大口債権者に対しにらみもきくANAHDが共同スポンサーとなれば、再建が進みやすいとの判断に落ち着いたとみられる。