牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングス(HD)が12日発表した2015年3月期連結決算は、最終損益が111億円の赤字(前期は11億円の黒字)と、1997年の上場以来、初の赤字に転落した。深夜の1人勤務体制「ワンオペ」の廃止により営業休止店舗が相次いだのが影響した。同「松屋」を運営する松屋フーズも、人件費や原材料価格の上昇が響いて、最終減益だった。
ゼンショーHDが大幅赤字になったのは、すき家の営業休止に加え、米子会社の売却に伴う特別損失126億円を計上したため。売上高は前期比9.3%増の5118億円、営業利益は69.3%減の24億円と増収減益だった。新規出店拡大で売り上げは伸びたが、すき家の営業休止を他の業態でカバーできず営業減益となった。松屋フーズも増収減益だった。
16年3月期は、ゼンショーHDが営業利益で4.8倍の122億円、最終損益で33億円の黒字を見込む。すき家全店での深夜営業は9月末に再開する計画で、これに伴い営業利益が39億円押し上げられるのが貢献する。
一方、松屋フーズは最終利益で31.6%増の8億円を見込んでいる。