「本当の強みは創業の地・日本に」 トヨタ初の外国人副社長、ディディエ・ルロワ氏(57)

2015.6.17 18:42

トヨタ自動車初の外国人副社長に就任したディディエ・ルロワ氏=17日、愛知県豊田市(松岡朋枝産経)

トヨタ自動車初の外国人副社長に就任したディディエ・ルロワ氏=17日、愛知県豊田市(松岡朋枝産経)【拡大】

 77年のトヨタ自動車の歴史で初めて、外国人副社長に就任。5人の日本人副社長とともに豊田章男社長を補佐する。17日の就任会見では「真のグローバル企業として真の競争力獲得に役立ちたい」と語った。

 フランス出身。大学で機械工学を学び、ルノーに入社。直後に課された約20カ月の製造現場での研修で、現場を知ることの重要性を実感した。トヨタへ転じたのも「(現場に出向き自分の目で事実を確認する)『現地現物』の文化があり、現場への情熱がある」と感じたからだ。

 トヨタでは仏新工場の建設に携わり、欧州本部長として赤字だった欧州事業の立て直しにも奔走。本社の副社長就任にあたり提示されたのは日本や北米、欧州など主要市場を統括する第1トヨタのトップだった。

 「日本ですか」。おひざ元を任されることへの戸惑いもあったが、「本当の強みは創業の地日本にある。強みを世界に展開することができる」と引き受けた。

 トヨタへ転じる際に周囲は「日本企業で責任は与えられない」と反対したが、自身の昇進で日系企業への評価を覆した。ただ「世界中に工場があることが真のグローバル企業ではない。世界のどこにいても、お客の多様化するニーズに応えることが重要だ」と語る。

 上司を喜ばせるために働かない、会社にとって正しいことをやる-。みずからの経営方針10カ条を紙に書いて持ち歩く。副社長就任にあたり豊田社長からつけられた唯一の注文は「変えないでほしい」。自身の経営姿勢についてだと受け取った。「全世界を回って、違った目線を提供できる。これからも率直な物言いを続けたい」。時にはうるさがたの“番頭”になることも辞さない考えだ。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。