欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で25日、タカタの高田重久会長兼社長が初めて公の場で謝罪した。後手に回ってきた同社の対応への批判が根強く残る中、トップ自らが臨んだ会見でも問題収束への具体策は示されなかった。
「私どもの製造した製品で不具合が発生したことには、責任を感じている」。会見で高田氏はこう語り、被害者へのおわびを繰り返した。
エアバッグ問題についての会見に高田氏が出席するのは初めてとあって多数の報道陣が詰めかけたが、高田氏は何度も「原因が究明されていない」として回答を保留。不具合の原因との指摘もあるガス発生剤の使用を続けることについても、製造上の利点を示すだけで安全性に関する合理的な説明はなかった。
エアバッグの不具合が最初に確認されたのは2005年。原因が長年究明されていないことについては「その後、メーカーからの(不具合に関する)情報がなかった」と釈明した。
死傷者が出る事態にもかかわらず、経営トップの高田氏が公の場に出なかったことに関しては「当局やメーカーとの協議を優先し、タイミングを逸した」と説明。ただ、情報開示に消極的なタカタの姿勢は米当局から「協力が不十分」として、懲罰金を科される事態にまで発展している。