【マネジメント新時代】ドラッカー氏が残した精神的境地 (1/3ページ)

2015.7.4 05:00

「清里の父」と呼ばれるポール・ラッシュ氏の蔵書から見つかったピーター・F・ドラッカー氏のメッセージとサイン。ドラッカー氏はたびたび来日した=山梨県北杜市

「清里の父」と呼ばれるポール・ラッシュ氏の蔵書から見つかったピーター・F・ドラッカー氏のメッセージとサイン。ドラッカー氏はたびたび来日した=山梨県北杜市【拡大】

 □日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎

 「10分と80年」。江戸時代の禅僧で、500年に1度出るほどの名僧といわれた白隠禅師は、禅の始祖、達磨(だるま)の絵を描くのに、どれだけ時間を要するかと聞かれて、このように答えたそうだ。描くことは10分でできるが、達磨を描ける精神的な境地に達するまでに、白隠禅師であっても80年を要する。なぜこの話を持ち出したかといえば、千葉市美術館にて6月28日まで開催された『ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画』展を見学した際、ピーター・F・ドラッカー氏が購入した絵画の中に、まさに白隠禅師が描いた達磨の絵が含まれていたからだ。今回はこれについて考察してみたい。

 ◆日本美術の鑑賞

 ご承知のとおり、ドラッカー氏は30冊以上の著名な本を出版し、「マネジメントの父」と呼ばれているが、日本画の愛好家としても知られている。ドラッカー氏が集めた水墨画の展示会に行く前は、単に趣味ではないかと思っていた。

 しかし、実際に行ってみると、その量は膨大なものがある。来日する度に機会を見つけて、200点以上の日本画を購入したとのこと。コレクションは室町時代から江戸時代にかけてのものが多いが、今回は111点が展示されていた。美術価値としても、有名なものや貴重なものもあるようだ。

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