電機各社が“デザイン”に注力した家電開発でしのぎを削っている。機能面での明確な差別化が難しくなる中、デザインに新たな価値と市場を見いだそうとしている。家電をインテリアの一部として捉えて快適な空間を演出することで、購入意欲の向上につなげたい考えだ。欧米など海外メーカーに国内家電市場が侵食される中、価格と機能だけの勝負からの脱却を目指す。
顧客の価値観も変化
「デザインを通じて、新たな家電の魅力を創出したい」と語るのはパナソニックアプライアンス社の原昭一郎副本部長だ。
パナソニックは今月、ななめドラム洗濯機「キューブル」を発表した。新製品は外観を従来の曲線から直線中心の角張った形状に変更し、インテリア空間に合わせたデザインにしたのが特長だ。
空間に調和するデザインにこだわった洗濯機を開発した理由について、原副本部長は「(機能面などの)数字で測れない家電の価値を見落としていた」と説明する。